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ビル下で見た!熾烈を極める中国のフード・デリバリー系スタートアップ(北京の旅2日目)

にーはお!中国のスタートアップ・IT業界をお届けします。

 

3年前に北京へ行ったのは、当時お付き合いしていた彼女にふられ、「納得していないのなら北京に行ってこい」と先輩に言われ、強制的に行かされたのでした。

3年前つまり2012年当時、フード・デリバリーのスタートアップはまだシードAぐらいでしたが、僕が男としてあまり成長しない間に、時価総額が数千億円の企業が生まれるほど、発達しています。

ビル下で撮った写真から、中国のフード・デリバリーの盛り上がりを感じてもらえたら嬉しいです。

 

今日だけで8社見たのですが、差別化はビジネスモデルになります。

1つめは完全なるプラットフォーム型。中国語では「軽」モデルと呼ばれています。配達したい人と注文したい人をマッチングするだけで、プラットフォーム側は配送は行いません。

2つめは「重」モデルで、プラットフォーム側が全て配送を行うモデルです。

3つめは「軽軽」モデルで、物流をソーシングさせています。

4つめは「軽」+「重」モデルです。

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バイクの後方に各企業のロゴが入った弁当箱を載せています。昼の12時くらいのビル下の光景です。

まずは市場規模から見ていきましょう。

飲食市場規模

レストラン業界全体ですが、年々10%超えの成長。中国のGDPが7%を下回っているのを考えると、かなり盛り上がっていますね。市場規模は27860億元(約54兆円)で、日本は25兆円前後で規模で2倍超え、しかも日本は97年以来ずっと縮小しているので、中国市場は大変魅力的。

飲食O2O市場規模

レストラン×O2Oで見ると、2014年までは年々倍速以上で成長し、現在の市場規模は975億元(約1.8兆円)でインターネットの浸透率は3.5%。しかし2017年には20%まで落ちるので、資金調達の環境は数年後にはがらっと変わりそうです。

外卖市場規模

フード・デリバリーですが、成長率は20%前後で、市場規模は1621億元(約3.2兆円)です。

外卖O2O市場規模

フード・デリバリー×O2Oで見ると、2014年までは年々3倍の猛スピードで成長し、現在の市場規模は95億元(約1900億円)。しかし今後は2倍成長は厳しくなり、早いうちにビジネスモデルを確立しないと、撤退に追い込まれる企業がかなり出てくるでしょう。

 

では、個別スタートアップのモデルを現場の写真とお送りします。

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まずは「軽」モデルの美团外卖(Meituanwaimai)。中国No.1クーポンサービスの美团が運営しています。最近レビューサイトのDianpingとの合併を発表したことで話題になりました。2013年11月にローンチ後、すでに250都市に展開しています。

続いて「重」モデルのスタートアップですが、筆者の散策途中では見つかりませんでした。見つからないということはそういうことでしょう。資料を見るに、カバー都市が多くて10とかなので、市場シェアの点ではうまくいっているモデルとは言えません。

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「軽軽」モデルの达达(Dada)。物流を自前では持たず、ソーシングで配送しています。急速に都市拡大ができるものの、配送サービスが標準化されてないので、そこが弱みに。2014年6月のローンチし、現在は20都市をカバーしています。

なぜソーシングしているのに、この箱を持っているんだろう思ったのですが、多分配達する人は固定化されるので、支給されているのかなと。5〜6人でやっているバイク便専門の会社とかが注文を下請けになっていると思います。

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「軽」+「重」モデルの百度外卖(Baiduwaimai)。文字通り百度(Baidu)傘下。何をもって、軽いと重いを分けているかというと、市場(ターゲットと単価)です。高単価のサラリーマン向けには例えばケンタッキーなどの大手会社と連携して、自社で物流を行います。一方低単価の学生向けには個人が経営しているお店とのマッチングだけに徹して、プラットフォーム側は配送は行いません。(もちろん配送を行うこともできますが、その分割高になるのでお店のコスト次第)。

前者で参入コストを築きながら、後者で市場シェアと認知度を拡大するというのが「軽」+「重」モデルの戦略です。

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他にビル下でよく見たのが、饿了么(Eleme)です。

ざっとフード・デリバリーのスタートアップのビジネスモデルを紹介しました。詳しくは「外卖O2O平台:饿了么体验报告-供应链方向」にあるので、そちらを見てもらえたらと思います。本記事中の資料はすべて上記より借りてきました。

 

どのビジネスモデルを採用しているスタートアップが市場シェアで上位を占めているのでしょうか?ビル下を見れば一目瞭然でした。

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饿了么(Eleme)!!!2015年8月に6.3億ドルの調達を行い、現在の推定時価総額は30億ドル。事業数値は以下になっており、出前館の月間取引額が18億円なので、2日あれば出前館の1ヶ月分の取引量を超えるという、尋常なスケール感です。

ユーザー数:4000万人以上

カバー都市:国内260都市

提携飲食店:30万

一日当たりの取引額:6000万元(約12億円)

引用:中国のフードデリバリー最大手Ele.me(餓了麼)が6億3,000万米ドルを調達、評価額は30億米ドルに

外卖O2Oシェア

統計で市場シェアを見ても圧倒的です。ただ最初にレストランO2Oのマクロの数字を提示したように、現在の50%を超える成長率は年々低下し、3年後には現在のような大型の資金調達は難しくなり、合併する可能性が高いです。饿了么(Eleme)は腾讯(Tencent)の資本が入っており、美团(Meituan)は阿里巴巴(Alibaba)の資本が入っており、親会社の思惑の元、合併に動くのではないかと。

O2Oサービスでは、タクシーの配車サービス・クーポンサービス共に腾讯(Tencent)と阿里巴巴(Alibaba)の資本が入った会社が合併し、百度(Baidu)は孤立しています。

一方饿了么(Eleme)は3年以内に上場する可能性もあり、もう一波乱ありそうで、中国フード・デリバリーのスタートアップからは目が離せません。

投稿者:

家田昇悟(IedaShogo)

在学中に中国の日本酒コンサルティング会社で、営業・ECサイト立ち上げのリサーチを経験。帰国後、中国のスタートアップに特化した情報サイト「ChinaStartupNews」を立ち上げ、中国関連のリサーチやコンサルティングに従事する。中国×スタートアップに興味を持つ人が集うFBグループ(https://www.facebook.com/groups/chinastartup/)を運営し、現在参加者は800名を超える。アプリ開発企業にて勤務。