中国のインターネットを理解するには必読の書籍6選

にーはお!前回紹介した本は、スタートアップというより、中国そのものを理解する本でしたが、今回は中国のスタートアップ、インターネットど真ん中の書籍を紹介します。

上から手に取っていくと、中国インターネットを俯瞰的に整理できるでしょう。

 

中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 (星海社新書)

中国で約10年ライターをやられている、山谷氏による、中国インターネットの歴史。中国のインターネットのビジネスモデルがどうなっているかという話より、中国のインターネットがどう発達したかを、通史で解説する本です。いつから中国政府はインターネットを管理するようになったのかなどが書かれていて、中国のインターネットを知りたいなら最初に読みたい本です。

 

チャイニーズ・ドリーム: 大衆資本主義が世界を変える (ちくま新書)

中国のインターネットの概要と歴史をつかんだところで、中国のインターネット業界がどのような特徴を持っているかを学びましょう。そこでオススメしたいのが本書。中国のインターネットを直接的に研究したわけではありませんが、中国の産業がどのような特徴を持っているのか、なぜ「パクリ」なのに先進国にはないイノベーションが生まれるのか、なぜ起業がこれほど旺盛なのかに整合的な説明を与えています。本書で議論されていることは、中国のインターネット産業にも当てはまる内容で、中国インターネットの可能性と課題を考える上で、非常に有意義な論点を提示してくれます。

 

リバース・イノベーション2.0 世界を牽引する中国企業の「創造力」

中国産業の構造を理解した上で、中国のインターネットやITで起こっている最新の事例を網羅的に理解するためにオススメしたいのが本書。小米(Xiaomi)、阿里巴巴(Alibaba)、腾讯(Tencent)、华为(Huawei)、乐视(LeTV)などを取り上げながら、中国発のIT企業がどうして世界的に成功を収めているのかを、「リバース・イノベーション2.0」という言葉を使い説明しています。時間がなく最近の流行りの中国IT企業をまずは知りたいという方は、これから読んでいいかもしれません。

 

Alibaba アリババの野望 世界最大級の「ITの巨人」ジャック・マーの見る未来

中国ITの全体像を理解できたところで、個々の企業を見ていきましょう。まずはもちろん阿里巴巴(Alibaba)。中国最大のIT企業がどのように生まれ、どのようにアメリカ企業に打ち勝ち、ニューヨーク市場まで登りつめたかを、時系列で整理しています。

 

ジャック・マー アリババの経営哲学

中国最大のIT企業を作ったジャック・マーとは何者か?に答えるのが本書。ジャック・マーが直接書いた本ではないですが、彼の思想が分かる名言がちりばめれれています。彼を通じて中国を引っ張るリーダーになるには何が必要かも教えてくれます。

 

シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略

最後は中国最大のスタートアップ(企業価値5.4兆円)の小米(Xiaomi)の実態に迫ります。本稿を読まれている方で、小米(Xiaomi)をご存じない方はいないでしょう。しかしただの格安スマホメーカーとしか認識していない人がまだほとんど。本書を読んで思ったのは、小米(Xiaomi)は「メーカー」でも「インターネット」企業でもなく、小米(Xiaomi)という「ブランド」を展開している会社なのではないかということ。Googleでも9年かかった売り上げ1兆円を、創業5年で達成した小米(Xiaomi)の強さが書かれています。

 

シャオミ 爆買いを生む戦略

彼らの真骨頂であるマーケティングを責任者自らが語った一冊。微博(Weibo)での最高リツイート数(200万回)を打ち立てた小米(Xiaomi)マーケティングの凄さはどういった思想から生まれてくるのかを豊富なイラストと具体例をもとに解説しています。『宇宙兄弟』や、『ドラゴン桜』の編集を手がけてきたコルク代表取締役の佐渡島氏も勧める一冊。最後の紹介になりましたが、今回の中で最もオススメする一冊です。

 

どうでしたでしょうか?どれも面白いのですが、唯一不満なのは中国インターネット業界内での戦いが書かれた本がないことです。百度(Baidu)、阿里巴巴(Alibaba)、腾讯(Tencent)を軸に、饿了么(Eleme)や美团(Meituan)などの新興企業が勃興するまさしく戦場。将来的に『中国スタートアップ 三国志』みたいなタイトルで書籍を自分で書きたいものです。


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家田昇悟(IedaShogo)

家田昇悟(IedaShogo)

在学中に中国の日本酒コンサルティング会社で、営業・ECサイト立ち上げのリサーチを経験。帰国後、中国のスタートアップに特化した情報サイト「ChinaStartupNews」を立ち上げ、中国関連のリサーチやコンサルティングに従事する。中国×スタートアップに興味を持つ人が集うFBグループ(https://www.facebook.com/groups/chinastartup/)を運営し、現在参加者は800名を超える。アプリ開発企業にて勤務。