李彦宏

BATの投資先から考える、中国スタートアップ2015年度上半期と下半期の資金調達トレンド

[link2post id=”1740″]2014年度のBATの資金調達のトレンド[/link2post]を紹介しました。最後、

 

バイドゥは研究開発に重点を置き、アリババはコンテンツの投資に走り、テンセントはWeChatを軸にしたO2Oエコシステムを作り上げるため様々な領域の企業に投資をしていました。以上がBAT各社の重点投資領域であります。しかし重点分野でなくとも投資額・案件共に絶対数では大きく、実際はすべての分野で競争していると言えます。2014年度の状況が分かると、2015年度の日々の資金調達の情報も繋がって見えてくるでしょう。

 

と締めました。では、2015年度上半期の資金調達はどう動いたのでしょうか?以上の領域が重点的に投資されたのでしょうか?

本稿では、2015年度上半期のBATの投資領域のトレンドを振り返るとともに、2015年度下半期のトレンドを予測してみます。

2015年3月より、中国スタートアップ関連の記事を、タイトルだけではありますが、毎日200~300読んできて、なんとなくここが盛り上がっているんじゃないというのは、わかってきたつもりです。それではどうぞ。

 

2015年上半期トレンド-BAT-

 

まずは、BAT(Baidu、Alibaba、Tencent)の投資トレンドから見てみましょう。2014年度をもう一度振り返っておくと、

・バイドゥは研究開発

・アリババはコンテンツへの投資

・テンセントはWeChatを軸にしたO2Oエコシステム

でした。

Baidu

 

baidu bmw

 

2014年度は投資があまりなく、研究開発を重点的に行ったBaidu。2015年度上半期はどうでしょうか?

金額で約3.6億ドルで、Alibabaの約22.5億ドル(16件)、Tencentの約25.6億ドル(27件)に比べると見劣りします。大きな投資は、中古車のオークションサイトである「优信拍」で、1.7億ドルです。

しかし、注目すべきはBMWとの自動運転自動車の開発でしょう。王勁・高級副総裁は今年後半に自動運転車を公開すると発表しています。都市開発を手掛けることで、一発形勢逆転を狙っているのではないでしょうか?

 

Alibaba

 

yicai

 

2015年度上半期は、約22.5億ドル以上の投資を行いました。コンテンツ系は2件でしたが、金額ベースだと5.8億ドルで投資額の約1/4を占めています。

5.8億ドルの投資先は上海メディアグループ傘下である大手経済メディアの「第一财经」(データ分野でも連携)と深センに上場している総合エンターテイメント企業の「光线传媒」です。

2015年度上半期のAlibabaは2014年度と同じくコンテンツ系への投資が中心でした。

 

Tencent

 

饿了么

 

2014年度はO2Oエコシステムを創るための投資が活発でしたが、2015年度上半期はどうでしたでしょうか?

投資額、投資案件が約25.6億ドル(27件)となり、2015年度を逆転、Alibabaを上回っています。

投資領域はO2Oへの投資が明らかでした。

本メディアでも何度か取り上げているテイクアウト配送を手掛ける「饿了么」に3.5億ドル、食べログ中国版「大众点评网」に8.5億ドル、鉄鋼や映画などを手掛けるコングロマリットの「刚泰控股」に5.2億ドル、と相変わらずO2Oへの投資を活発にしています。Weixinに大きな変化はなく(タイムライン広告が試験的に開始されたぐらい)、Weixinのプラットフォームをいかに有効活用するかが彼らの課題と言えます。

 

2015年度上半期末に勃発したBaiduとAlibabaによるO2Oエコシステム争奪戦

 

重模式O2O

 

2014年度と同じく、2015年度上半期も巨大インターネット企業の事業領域に合わせる形で、資金調達が活発に行われました。(全体orVC視点の資金調達トレンドは別の機会にまとめます。)

しかし!もう上半期も終わるので記事を書こうと思っていた、6月23日Alibabaより大きな発表がありました。

60億元を投じO2Oサービスの「口碑」を設立

 

さらに、それに呼応するかのように6月30日Baiduの董事長リー・ロビンソンが宣戦布告。

020領域に3年以内に200億元(4000億元)の投資することを董事長直々に宣言

 

李彦宏

 

2015年2月の配車サービスの合併で、BATによるO2O投資合戦は収まりを見せたのかと思ったのですが、まだまだ続くようです。驚きはBaiduです。2014年度15年度前半は、自動運転車の研究開発ばかりと思わせておいて、いきなり200億元(4000億円)を使ってきたのですから。

さらには、合併した配車サービスはもちろんのこと、クラシファイドサイトの大手2社が合併共同購入サイトシェアNO.1の「美团」がオンライン金融に参入し10億ドルの資金調達に動き出すなど、BAT以外にもO2Oの投資側のプレーヤーが上半期の間に揃ってきました。

 

2015年度下半期のトレンドは?

 

しかし、気になるというか面白くないのが、BAに対するTencentの反応が何もないことです。下半期にはTencentがBAに対抗する形で、「スマートライフソリューション」みたいな宣言をしてくることを予想してみます。

58赶集」や「美团」など、巨大インターネット企業によるO2O領域への投資は、下半期以降も加速していくでしょう。しかし配車サービス業界に起こったように、投資合戦は合併に落ち着く可能性が高いです。大型合併が旅行、インターネット自動車業界あたりで起こりうる可能性も無きにしも非ずです。とにもかくO2O領域での大型資金調達が2015年下半期のトレンドになるでしょう。

そして、2015年度下半期の注目は、O2O領域でずっと遅れを取っていたBaiduがどこに投資をしていくかです。Baiduの巻き返しには要チェックです!

 

 

参考:盘点2015年上半年O2O行业五大热点

2015年上半年O2O市场盘点:巨头入场 行业发生的大动荡

資金調達のデータは、IT桔子より引用

画像:各社HP

投稿者:

家田昇悟(IedaShogo)

在学中に中国の日本酒コンサルティング会社で、営業・ECサイト立ち上げのリサーチを経験。帰国後、中国のスタートアップに特化した情報サイト「ChinaStartupNews」を立ち上げ、中国関連のリサーチやコンサルティングに従事する。中国×スタートアップに興味を持つ人が集うFBグループ(https://www.facebook.com/groups/chinastartup/)を運営し、現在参加者は800名を超える。アプリ開発企業にて勤務。