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中国のスタートアップの発展を考える~ペット業界を例に~

中国スタートアップ界隈の出来事をお届けします。

今注目しているのは、中国のインターネットはどのように発展し、スタートアップはどのようにそこに参入し、さらにBATなども絡んでいく中でどうやって産業が発展していくかです。様々な業界の歴史と現在を分析し、中国のスタートアップがどう発展していくのかを考えてみたいと思います。

第一弾は、ペット業界から。

 

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中国のスタートアップの投資や企業を整理するブログ・メディア「IT桔子」のまとめによると、ペット系のスタートアップは現在24社あるそうです。

 

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成立年

 

2012年以前:3件

2013年:5件

2014年:12件

2015年:4件

となり、業界として発展し始めたのは、2014年とみてよいでしょう。ここ2弱でで同じ領域で20件ものスタートアップが出現するってすごいですね。

中国でスマフォが普及し始めるのが、2010年です。それより若干遅れた2014年に一番多くのスタートアップが成立したのは、2010年当初は衣食住といった最も市場規模が大きいところにスタートアップが参入したからでしょう。

 

スマフォ普及

出典:iResearch Japan、中国スマートフォンは2012年に1億1250万台を突破すると予想

 

投資ラウンド

 

不明:11件(実際はしていないorエンジェルorシリーズA)

エンジェル:10件

PreA:1件

シリーズA:3件

シリーズBI以降:2件

金額も多くて500万人民元なので、まだ資金によりスケールさせる段階ではなく、サービスやビジネスモデルで差別化させる段階と言えるでしょう。

また中国の大手インターネット企業はまだどこも投資していません。まだ業界としては未熟な証拠ではないかと思います。この段階で投資するのは博打に近く、ある程度凄み分けされるのを待っているんでしょうか?

 

事業領域

 

EC、SNS、訪問サービス、マッチング

に大別できます。重なっていたりするので、細かく分けることはできませんが、SNSと訪問サービスが圧倒的に多いです。これは参入障壁が低いからでしょう。

 

老舗のプレーヤー

 

近年のスタートアップのみを見ると、中国のインターネット・ペット業界は全く発達していないように思うかもしれませんが、むろんそんなことはありません。2000年代にC2C(Copy to China)モデルで、.comブームがすでに来ていたのです。

2005年と最も早く国内で成立した「爱狗网」、2006年に16歳の高校生が創業した「狗民网」、2007年にテンセント出身者が創業した「波奇网」、2007年に重慶の大学生が創業した「E宠商场」。

これらはすべて、コミュニティ+ECで成長しました。ECを淘宝に出店するのか、自社で行うのかなど手段は様々ですが、コミュニティの価値を高めることで、ECへの流入を最大限にするというのが基本的な戦略です。

業界の立ち位置として、彼らは食べログやぐるなびのような感じです。

彼らを「.comスタートアップ」と名付けるなら、現在のスタートアップは「モバイル・スタートアップ」です。

今後のトレンドとして、「.comスタートアップ」は「モバイル・スタートアップ」を脅威に感じつつ、戦略的出資や買収をするなどして、自社の生態圏に組み込んでいくでしょう。

 

まとめ

 

・「.comスタートアップ」が2005年から勃発し、2014年に「モバイル・スタートアップ」が本格的に勃発。

・「モバイル・スタートアップ」は現在約2年が経過。大きな投資もなく、BATも参入していない。

・2~3年して業界が落ち着いた段階で、BATが参入し、「.comスタートアップ」も「モバイル・スタートアップ」に投資をしていく。

 

今後の注目は、「モバイル・スタートアップ」が他社と差別化するためにどんな面白いアイデアを出してくるのか、BATと「.comスタートアップ」がどのタイミングで市場に参戦してくるかです。おそらく前者(市場が細分化)と後者のタイミング(大手の参入)はほぼ同じであるになるでしょう。

共同購入サイト業界の落ち着きがだいたい5年ぐらいかかったので、ペット業界もおそらく現在から2~3年でBATなどが参入し始め、4~5年で市場が落ち着くのではないでしょうか。

どのようにスタートアップが勃興するのか目が離せません。

 

参考、画像:看中国宠物互联网行业十年

投稿者:

家田昇悟(IedaShogo)

在学中に中国の日本酒コンサルティング会社で、営業・ECサイト立ち上げのリサーチを経験。帰国後、中国のスタートアップに特化した情報サイト「ChinaStartupNews」を立ち上げ、中国関連のリサーチやコンサルティングに従事する。中国×スタートアップに興味を持つ人が集うFBグループ(https://www.facebook.com/groups/chinastartup/)を運営し、現在参加者は800名を超える。アプリ開発企業にて勤務。