中国スタートアップ 三国志(1)〜エコシステムを構築するBAT〜

にーはお!日本でも注目を集める中国のインターネット、スタートアップ。しかしまだどんなプレーヤーがいるのかが、日本のメディアからではなかなか分かりません。そこで中国のインターネット業界を動かしている主要プレーヤー3社の事業展開を考察することで、中国のインターネット、スタートアップの現状を探ってみたいと思います。

 

bat

 

エコシステムを構築する

一言で中国インターネットの現状を表すなら、中国のインターネットはBATと呼ばれる百度(Baidu)、阿里巴巴(Alibaba)、騰讯(Tencent)に集約していくと言えるでしょう。

これから説明していきますが、これらの企業はの様々なサービスに投資をしています。本稿ではそのような動きを「エコシステムを構築する」動きと名付けます。それでは、エコシステムとは何か、なぜエコシステムを構築しようとするのかをまずは考えてみます。

エコシステムを構築するとは、「O2Oにおいて、インターネット・ユーザーに自社のサービス(もしくは出資している自社系列のサービス)を使ってもらおうとユーザーを囲い込むこと」です。

O2Oとは「Online to Offline」の略で、ネット上(オンライン)から、ネット外の実地(オフライン)での行動へと促す施策のことや、オンラインでの情報接触行動をもってオフラインでの購買行動に影響を与えるような施策を表します。

インターネット・ユーザーの行動は、1つのサービス単独では完結しません。そのためユーザーの行動をすべて抑えるようなサービスの生態圏を構築する必要があります。

例えば友人とご飯を食べに行くためにレストランを予約する時の行動を考えてみます。

 

  • ユーザーは検索サービスを使い、「京都 ディナー」などと検索します。
  • 検索結果からユーザーは幾つかのサイトを閲覧します。実名制の口コミサイト、クーポン券が充実しているサイトなどを使うでしょう。
  • 電話をして予約をします。
  • 友人に予約したことを伝えるために、メール、チャットアプリ、SNSなどを使い、
  • 当日待ち合わせ場所に向かうために地図検索や乗り換え検索サービスを使用します。
  • 支払いは、クレジットカードや交通系マネーカードなど様々な決済手段で支払うことができ、
  • ディナーを楽しんだ後は写真共有サイトや口コミサイトでレビューを掲載して友人にシェアをします。

 

以上のようにユーザーが1つの行動をするために、様々なインターネット・サービスを使います。

あるSNSはライバル企業のECサイトへ飛ばなくするなどは中国だと普通にあります。

インターネット企業は自社のサービスでユーザーのすべての行動を完結させたいがために、自社で新規事業もしくは他社への出資や買収をすることで、自社系列としてサービスを提供する。つまりエコシステムを構築しようとします。

 

日本のエコシステム

もちろんこういった動きは日本でも行われていることです。

YAHOO!JAPANの事業領域を見てみると、検索エンジンだけに限らず自社で様々なサービスを展開しています。

 

事業領域_-_個人投資家の皆さまへ_-_IR情報_-_ヤフー株式会社

引用:IR情報 > 個人投資家の皆さまへ > 事業領域

 

楽天は、EC×金融を軸に様々な事業に進出しています。

 

楽天株式会社__ビジネスモデル___楽天の強み

引用:世界でも類のないビジネスモデル“楽天経済圏”とは

 

リクルートは、人生において意思決定をする場面で手助けとなるようなサービスを提供しています。

 

ビジネスモデルと事業領域|事業と社会性|RECRUIT_HOLDINGS-リクルートホールディングス-|リクルートグループ採用サイト

 

引用:ビジネスモデルと事業領域

 

BAT

一方中国では誰がメインとなってエコシステムを構築しているのでしょうか?中国ではそのメイン・プレーヤーを百度(Baidu)、阿里巴巴(Alibaba)、腾讯(Tencent)の頭文字をとってBATと呼んでいます。

ざっと各社を説明すると、百度(Baidu)は検索エンジンが主力でYAHOO!みたいな存在です。阿里巴巴(Alibaba)はECと決済に強く楽天に近い。腾讯(Tencent)はLINEとDeNA、Facebookを合体させたような感じでSNSが圧倒的に強い。

各社には強みと弱みがあり、それぞれをさらに強化したり補ったりするよう事業展開をしています。

次回以降では、BATがどのような分野に強みと弱みがあり、それと元にどのように事業展開しているかを考察します。


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家田昇悟(IedaShogo)

家田昇悟(IedaShogo)

在学中に中国の日本酒コンサルティング会社で、営業・ECサイト立ち上げのリサーチを経験。帰国後、中国のスタートアップに特化した情報サイト「ChinaStartupNews」を立ち上げ、中国関連のリサーチやコンサルティングに従事する。中国×スタートアップに興味を持つ人が集うFBグループ(https://www.facebook.com/groups/chinastartup/)を運営し、現在参加者は800名を超える。アプリ開発企業にて勤務。