バブル

大手ネット3社が第一四半期の決算を発表

ChinaStartupWeeklyと題として、中国スタートアップに関するベンチャーの紹介や資金調達のニュースを毎週配信していきます。

 

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5月20日、中国政府は今後3年間で計1兆1300億元(約21兆5千億円)以上を投じ、インターネット通信速度を大幅に引き上げる方針を発表しました。この政策の発表を受けてか、5月21日、成長性の高いベンチャー企業向け市場の深セン創業板指数は前日比3.56%高の3527.41ポイントと続伸し、指数算出以来の連日の最高値を更新しています。

【市況】21日の中国本土市場概況:上海総合は3日続伸で1.9%高、深セン創業板は連日の最高値

中国、ネット高速化に3年で21兆円 起業促す狙い

 

BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)の3社の決算発表に続き、ウェイシンに次ぐ影響力を持つSNSの「陌陌(モモ)」、中国版Twitterの「微博(ウェイボー)」、中国最大のセキュリティソフト会社の「奇虎360(チーフ サンバイリウシイ)」の3社が第一四半期の決算を発表しました。3社の現状を見たいと思います。

 

  • LBS×SNSの「陌陌(モモ)」、売上は前年同期比383%増の2630万ドルに。四半期ベースで初の黒字化。

 

位置情報とSNSを掛け合わせたアプリを提供する「陌陌」が、5月19日第一四半期の決算を発表しました。売上は前年同期比383%増の2630万ドル。純利益ですが、2014年の第一四半期では120万ドルの損益でしたが、2015年度第一四半期では670万ドルの利益となり、四半期ベースでは初の黒字化となりました。売上の内訳は、会員費用が49%、オンラインゲームが23%、広告などマーケティングが22%、その他となっています。広告収入に頼らず、サービスで付加価値をだし、またオンラインゲームでも稼ぎくことができています。会員数は2014年度3月からの1年間で、130万人から310万人まで増加しており、第一四半期の「陌陌」の成長に大きく寄与したと思われます。プレゼントを贈ることができるモールを開設するなど、収益の多角化を今後も図っていきます。市場の反応も良いです。

 

momo 株価 第一四半期決算

陌陌2015第一季度财报:净利润670万美元 同比扭亏

 

  • オワコンと思われていた「微博(ウェイボー)」、月間アクティブユーザーは約2億人に達し、存在感を発揮?

 

中国版Twitterの「微博」が5月15日第一四半期の決算を発表しました。月間アクティブユーザーは前年比、38%(2200万人)増加し、1.98億人に達しました。さらに売上も前年比43%の9630万ドルに。しかし広告費は前年比53%増加の7920万ドルとなりましたが、一方で付加価値サービスは1710万ドルと前年比9%しか成長していませんでした。広告費は売り上げの82%にも達しました。広告依存型モデルから転換すべく様々な付加価値サービスをいっそう展開していくのでしょう。その効果がいつ財務の数字として表れるかが、引き続き注目です。周りの中国人に聞く感じですと、テンセントが運営する「ウェイシン」にコミュニケーションの場が移り、「微博」も終わったかと思っていたのですが、それを覆す決算となりました。決済や公共料金の支払いにどれだけ「微博」を使ってもらえるかが、収益の多角化の鍵を握り、ユーザーの粘着性を強められるかの鍵だと思います。市場も決算の報告以来、良い反応です。

 

微博 株価 第一四半期 決算

微博月活跃用户净增2200万创新高 实现连续盈利

 

  • 新ブランドスマホ「奇酷」の販売に活路を見だす、アンチウイルスソフトウェア企業「奇虎360(チーホーサンバイリウシイ)」

 

5月20日、アンチウイルスソフトウェアを主に提供するインターネット企業の「奇虎360」が第一四半期の決算を発表しました。「奇虎360」は無料で提供しているアンチウイルスソフトウェアの顧客を基盤に、広告収入や有料サービスの提供で利益を上げています。第一四半期の売り上げは3.844億ドルで、前年同期比45%の増加。純利益は5300万ドルとなり、前年同期比8%でした。2014年3月よりPC、スマホのユーザー数は、それぞれ、4.79億人から5.03億人、 5.38億人から7.78億人。また数字は出していないものの、「奇虎360」が提供する「360手机助手」がアプリマーケットで先導をとっていると董事長兼CEOの周鸿祎氏は述べています(「2015Q1中国手机应用商店季度监测报告」によると、「360手机助手」のシェアはトップの41.6%)。

しかし前四半期比では、ほとんどの数字が落ちており、市場も良い反応とは言えませんでした。(下図)しかし、次の施策として、数か月以内に「奇酷」という新ブランドのスマホを販売すると、表明しています。スマホとソフトウェアの融合に成長の活路を見いだせるか、差別化と新たな稼ぎ頭となることができるか、注目です。

 

360株価

奇虎360公布第一季度财报:净利润同比增8%

 

「奇虎360」には成長に若干の曇りが見えるものの、「微博」と「陌陌」はユーザー数に加え、売り上げもしっかりとついてきていました。市場の反応も良好です。しかしロイターは以下の点を指摘し、中国版「ドットコム・バブル」の現状を述べています。

・3月に深セン市場に上場した動画ネット配信企業、北京暴風科技の株価は上場以来42倍に跳ね上がった。

・新規上場銘柄については平均の上昇率が約500%(6倍)。

・創業板の株価収益率(PER)は平均で106倍。2009年に付けた128倍に近付いている。

〔アングル〕中国版「ドットコム・バブル」、上場来42倍の株価も

 

中国のインターネットに、政府を初め投資家や起業家、消費者の誰もが「期待」をしているのは間違いありません。この「期待」がどう転ぶのか、引き続き見守りたいと思います。

投稿者:

家田昇悟(IedaShogo)

在学中に中国の日本酒コンサルティング会社で、営業・ECサイト立ち上げのリサーチを経験。帰国後、中国のスタートアップに特化した情報サイト「ChinaStartupNews」を立ち上げ、中国関連のリサーチやコンサルティングに従事する。中国×スタートアップに興味を持つ人が集うFBグループ(https://www.facebook.com/groups/chinastartup/)を運営し、現在参加者は800名を超える。アプリ開発企業にて勤務。