海外専用の食べログなど、知ってはおきたい最新の中国旅行系スタートアップ5選〜北京から〜

※編集部注

北京大学に留学中の倉上氏による記事です。中国に留学していて、現地のアプリの体験談や、IT系のイベントに参加した感想などを共有したいという方の寄稿、お待ちしております。

にーはお!北京大学留学中の倉上です。

中国に来てからはや3ヶ月が過ぎましたが、国民的ITリテラシーに驚く毎日です。
知り合いのおばあちゃん(75歳)もよくweb moneyで支払いしてます。w

また大学の近くの「中关村」という街は中国のシリコンバレーと呼ばれることもあり、ほぼ毎日起業家向けのイベントが行われてます。

先日のイベントが最近参加した中でも特に面白かったのでレポートとして残します。
内容は中国のOTA(Online Travel Agent)業界のスタートアップの実践についてで、主催は中国企業のデータ統計サイト「IT结子」です。

最初に少し中国のOTA業界について書きます。

 

1億人の国外旅行マーケット

中国では国内国外問わず、旅行者がとにかく多いです。国内旅行者の数字は帰省も含まれているので必然的に多くなると思いますが、国外旅行者も同様に多いです。

年間1億人以上の中国人が海外旅行に出ていて、これは毎年増え続けています。
これってまさに日本の人口と同じくらい。デカい!

特に韓国には、月間で60万人もが訪れているという情報もあり、その他タイや香港、マレーシアなど近郊の国々にもよく旅行に行くみたいです。
(中国人の「爆買い」と騒がれていた日本ですが、実は旅行者は全体のわずか2%程度にすぎません。)

このマーケットどうなってんのや!ってことでシェアをみてみましょう。

 

 OTA業界のマーケットシェア

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上から、(以下企業名)

1.去哪儿(Qunaer)
2.携程旅行(C-trip)
3.同程旅游(Tongcheng)
4.艺龙旅游(Yilong)
5.途牛旅游(Tuniu)
です。

アプリダウンロードランキングはこちら。(縦軸の単位は千ですね。)
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見て分かる通り、企業が多いです。
この状態で合併・投資が頻繁に起こってるので、みんな「(旅行業界が)アツい!」と言ってる訳です。

最近だと、ランキング1位/2位を争う”携程(C-trip)”と”去哪儿(Qunaer)”の合併するというニュースが世間を騒がせました。

“携程(C-trip)”とかは日本でも多くの人が使ったことがあるのではないでしょうか!

 

OTA業界の売上構成

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4分野に分かれており、交通(飛行機や汽車のチケット予約)→酒店(ホテル)→度假(ツアー)→其他(その他)の順で大きいです。

交通における売上は全体の6割を占めており、そこにホテルを足すと8割にまで達します。その他は広告や決済などの手数料によるものだと思います。

ツアーの比率が年々上がっている理由としては、以下の理由が挙げられるでしょう。
・企業競争によって質が上がっている
・ビジネストリップのみならず観光目的の利用者が増えている
・個人の体験にフォーカスした取り組みが増えてきている

ではスタートアップはどこに目をつけて、どう専門領域を掘り下げているのでしょうか!

 

スタートアップ

さあ、お待たせしました!スタートアップ5社を紹介します。

1.喊你玩 (Hanniwang)

2015-12-17 at 02.59.20

・Co-founder:刘腾飞
・海外民宿を予約できるB2Cサイト
・B2C版「Airbnb」
・現在は韓国と日本の2ヶ国での運用を開始。
・2015年6月ローンチ。

Co-founderの刘腾飞は大学時代含め7年間韓国に滞在経験があり、見た目も韓国の若者っぽく、韓国のマーケットにはもちろん精通してます。先日、オススメの韓国料理屋でご馳走してもらいました!
住居掲載元を個人ではなく、民宿やゲストハウスのみにすることで利用のハードルを下げる発想は面白い。中国人だけじゃなくて、日本人にも受けそう。

 

2.游谱旅行 (Youpuluping)

2015-12-17 at 03.07.24

・CEO  李小坚
・海外旅行の企画から商品(ツアー/チケット)を提供するB2Cサービス。
・複数検索「場所・期間・周知度・興味…」などによって、個人に最適化されたツアーをアドバイス。
・現在は欧州含め、35ヶ国を対象に。

とにかく講演の最中に言ってたのは、「个人化(個人化)」です。まだコンテンツが少ない気がするけど、よりパーソナライズされた企画を立案して、教えてくれるのは便利。

 

 3.皇包车 (Huangbaoche)

2015-12-17 at 17.46.26

・Co-founder:孟雷
・中国語ガイド付き配車サービス。
・現地の中国人を完全採用。

ただのタクシー配車サービスと思って利用するには料金は高く感じるけど、現地の中国人専業ガイドがつくって考えると妥当だとも思えます。法律規制など問題は多そうに感じるけど、「なんとかなる!」と言っていました。w

 

4.四万公里 (Siwangongli)

2015-12-17 at 17.53.17

・Co-founder:仇志强
・海外のグルメ情報提供サービス
・海外専用の「食べログ」

キャッチフレーズはまさに「1億人の海外の食事問題を解決する」です。旅行において食事は重要で、若者やカップルでの旅行が増えてるいま、より安く現地の原味を楽しめたら確かに最高ですね。

 

 5.花生游 (Huashengyou) 

2015-12-17 at 18.01.44

・Co-founder:刘铎
・世界のスポーツイベントチケット(+ホテル/航空券)をパッケージ化して提供するB2Cサービス。
・海外保険や海外レンタカーも予約できる。
・掲示板機能有り(日記、募集、Q&A板など)

欧州サッカーやNBA、テニス、F1など、自分の応援しているチームや各シーズンで検索をかけることもできる。いちいち、航空券手配して、見たい試合の時間確認して…っていう面倒くさい手間が省けるのはイイネ!オリンピック前も要チェックです。

 

総括

当たり前ではありますが、スタートアップの実践ではホテルやツアーなど独自コンテンツの分野に特化して、業界に踏み入っていることが分かります。

今回のスタートアップ5社は全て中国人のみを対象にしたサービスを運営しており、自国のマーケット自体が大きいので、やはりまず中国人をターゲットとしてビジネスを進めるようです。

現地にいても「中国の武器は人口の多さ」という言葉をよく聞きますが、数億人のビックデータから変化の激しいマーケットの傾向を容易に分析できる利点がこの業界では顕著に現れますね。

 

また、スタートアップは5社とも日本への興味を十分に示しており、これから訪日中国人の数は伸びていく潜在力があると話していました。彼らはリサーチを進めると同時に日本に拠点を設けることも考えています。

実際に日本政府環境局のデータを見てみても、訪日中国人の年間人数は2014年(240万人)から、2015年(464万人)と約2倍になっています。潜在力あります。

中国のOTA業界はやっぱりアツい!
大企業だけでなく、スタートアップも次々出てきていてこれからも盛り上がっていく感じしますね。

パートナー企業やリサーチャーも探しているみたいなので、気になる方はプロフィールの連絡先よりご連絡頂ければと思います!

 

OTA業界のデータ画像:速途研究院:2015年Q1移动旅游市场报告

画像:各企業サイトより引用


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倉上 剛

倉上 剛

北京大学留学時代に中国経済や中国のスタートアップエコシステムの魅力に惹かれ、現在上海のスタートアップアクセラレータXNodeにてアナリストを担当。go.kurakakmi50 [at] gmail.com