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中国旧正月のお年玉キャンペーンに数十億円を投じるジャック・マーの本当の狙いとは?

にーはお!中国の旧正月に、腾讯(Tencent)が提供する微信支付(Weixinpay)とジャック・マー率いる阿里巴巴(Alibaba)が提供する支付宝(Alipay)を中心としたお年玉キャンペーンは2016年も大いに盛り上がりました。

大手各社が15年に展開した電子版紅包の総額は100億元(約1870億円)に達すると見られている。今月7日の大晦日に、WeChatは昨年の8倍となる合計80億8000個もの紅包を取扱いし、1秒当たりの最高発行数が40.9万個に上ったと発表した。

引用:お年玉もネット決済? 中国「電子版紅包」市場が熱い!

 

微信支付(Weixinpay)が支付宝(Alipay)に遅れているのか?

 

支付宝(Alipay)が決済サービスとして先行していて、微信支付(Weixinpay)がそれを追いかている構造であることは本稿を読まれている方ならご存知なはずです。中国人の方なら肌感覚で分かると思います。

だからお年玉キャンペーンは微信支付(Weixinpay)が新規ユーザーを獲得するためと支付宝(Alipay)がそれに対抗するための戦いでしょ?と思われる方が多いでしょう。

しかし両者のサービスが使われる場面を考えると、必ずしも微信支付(Weixinpay)が遅れているわけではありません。では支付宝(Alipay)がお年玉キャンペーンに参戦するのにはどういう意図があるのでしょうか?中国の著名テック・ブロガーの記事をもとに解説します。

さっき述べたように、お年玉キャンペーンの狙いは単なる微信支付(Weixinpay)による新規ユーザー獲得だけではありません。

支付宝(Alipay)の狙いとして、ソーシャル上での決済場面に支付宝(Alipay)を使って欲しいというのがあります。ここで言うソーシャル上とは、友達とご飯を食べに行った時に割り勘で支払う時や親とのお金のやり取りでオンライン支払いを行うことを想定しています。

なぜ、支付宝(Alipay)が「ソーシャル上」での決済を取りに行くかというと、単純に微信支付(Weixinpay)に遅れを取っているからです。

 

支付宝(Alipay)と微信支付(Weixinpay)の違い

 

ここで支付宝(Alipay)と微信支付(Weixinpay)がどういう場面で使われるかを整理します。

そもそも支付宝(Alipay)は阿里巴巴(Alibaba)が運営するC2Cのマッチングサイトの淘宝(Taobao)での決済ツールとして開発されたものです。瞬く間に中国で普及しました。

しかし前提として知らない人同士(売り手と買い手)の決済ツールとして使用されています。友達を追加して、個人間でのやり取りも行えるようになっていますが、個人送金の際に受け手の携帯番号やメールを入力して相手が承認をする必要があるなど若干面倒です。(安全面での強化を図っているとも言えますが。)

一方、微信支付(Weixinpay)は腾讯(Tencent)が提供するチャットツールの微信(Weixin)のアプリ内に備わっている機能です。

ですので、知り合い同士のお金のやり取りで使われることが多いです。食事の際に微信(Weixin)でグループを作ってその中で割り勘をする際に使われたりします。また旧正月でなくとも、グループ間で頻繁にお年玉を使って遊びます。個人間の送金で上記のような認証は必要なく、自分のパスワードを入力するだけで送金できます。

まとめると、支付宝(Alipay)は決済×ECでは圧倒的なシェアを持つものの、決済×ソーシャルでは微信支付(Weixinpay)におされている。それを挽回したいので、お年玉キャンペーン合戦に参戦しているのでしょう。

 

最終的に勝利を収めるのはどちらでしょうか。両者が仕掛ける新たなマーケティング手法に期待です。

 

参考:马云花2亿到底想买什么

投稿者:

家田昇悟(IedaShogo)

在学中に中国の日本酒コンサルティング会社で、営業・ECサイト立ち上げのリサーチを経験。帰国後、中国のスタートアップに特化した情報サイト「ChinaStartupNews」を立ち上げ、中国関連のリサーチやコンサルティングに従事する。中国×スタートアップに興味を持つ人が集うFBグループ(https://www.facebook.com/groups/chinastartup/)を運営し、現在参加者は800名を超える。アプリ開発企業にて勤務。