日本の出版社は中国の新興スタートアップに「今」出資すべし。

にーはお!中国×インターネットで注目している漫画について考えてみます。

 

中国でなかなか勝てない外資インターネット企業

 

2015年の1年間、中国スタートアップをメディアで見て、現地を何回か訪れて思ったのは、国外から中国へ進出するパターンではなかなか勝てないということ。実際、楽天は百度(Baidu)と提携するも撤退ミクシィもテンセントと提携を解消して撤退しています。グリーも中国からは進出から2年で撤退

これは日本企業だけではなく、E-Bay、Facebook、Google、Twitterなども同じ状況です。国外のインターネット・サービスは中国で大きく勝ててない。(もちろん細分化された市場で勝っているところもありますが。)

 

自動車、エレベーターなどでは勝っている

 

では、日本の企業が中国で勝てるところはどこなんでしょうか?インターネット以外だとたくさんあります。

例えば、自動車業界。中国汽車工業協会によると、2015年1-11月の乗用車販売のうち日系はシェアで19.4%と第3位となっています。

 

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続いてコンビニ。中国チェーン企業協会HPによると、中国コンビニ企業のランキングで、セブンが第7位、ファミマが第14位に入っています。上海に2年間住んでいましたが、ファミアは間違いなく市内一のコンビニだと思います。店内は明るく、中国本土のコンビニと比べて品揃えは圧倒的。今後も大飛躍するのではないかと。

 

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エレベーターの多くが三菱電機と日立ですよね。吉野家や丸亀うどんなど日本の食を見ない日はありません。知り合いがパティシエを務めるケーキ屋さんも上海では超人気だったり。

コンテンツを広く定義すると、中国で勝っているものは上記のようにすでに多くあります。ただ本誌として興味があるのは、やはりインターネットを使って中国で勝負していくパターン。それと相性がいいものってなんだろうっていうのをぼんやりと考えていました。

 

日本の強みを生かせて、かつインターネットで消費されることと相性が良い漫画

 

それが漫画ではないでしょうか。

初めて中国で漫画を読んだのは、2年半前に路地で売っている台湾から密輸されたワンピースの漫画でした。本屋さんに行っても漫画はほとんどなく、コミック雑誌も少なかったです。ブックオフみたいな場所がたくさんあるわけでも無ければ、漫画を購入できる場所も少なく、さらには海賊版が横行していてクリエイターにお金が回る仕組みもない。2年半前に中国へ行った時はそんな印象しかありませんでした。

しかし2015年の後半に、日本漫画の中国進出のコンサルティングのお手伝いを通じて、この考えは大きく変わりました。

中国人はスマホを使って縦スクロールで漫画を読みます。そこで読まれる漫画は海賊版ではなく、日本のコンテンツホルダーと中国のインターネット企業が正式に提携して配信しているものです。集英社が2013年に、スクウェアエニックスが2015年に中国のインターネット漫画市場に本格進出しています。

 

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画像引用:NetEaseの漫画アプリよりスクリーンショット

 

阿里巴巴(Alibaba)が動画サイト向けのドラマの制作を本格化させ、既にその第一弾としてドラゴン桜を10億円の大金を使って制作を開始しています。

ここでは詳しく述べませんが、中国の漫画プラットフォームでは、進んだモバイル決済を利用してクリエイターにお金が回る仕組みも整えていっています。

 

日本のコンテンツホルダーは、アーリー・ステージで中国スタートアップに出資し、コンテンツを配信し、腾讯(Tencent)に立ち向かえ

 

話を戻すと、日本企業がインターネットと絡めて勝てるところって、漫画なのでは?というのが今の仮説です。漫画のクオリティーは文化間の差異を超えて日本のクオリティーが現時点では圧倒的であると思います。

日本が得意なモノでありながら、消費されるのはインターネット上なので、相性もいい。

上述したようにインターネット企業と提携して、徐々に日本の漫画が進出しています。しかし腾讯(Tencent)などは中国インターネットにおいて圧倒的な強さを持ち、交渉の場面において日本側が不利になるのは目に見えています。

そこで提示したいのは、中国現地の新興スタートアップと連携して、中国の巨大インターネット企業に立ち向かおうということです。

動画やVRなど新たなスタートアップが中国ではどんどん生まれてくるでしょう。しかし彼らはスピードや開発力がある一方で、コンテンツ力はさほどありません。中国スタートアップが抱える弱みを日本のコンテンツホルダーは利用すべきです。

日本のコンテンツホルダーは中国のスタートアップに出資をして、コンテンツを配信し、他のスタートアップとの差別化を日本側主導で行います。多分そうしないと、大きくユーザー数を中国側がつけた後には、後のまつり。中国側の交渉力は強くなり、日本のコンテンツは買い叩かれるでしょう。

ではどこのスタートアップに出資をするのが良いかはまたの機会に。

日本の出版社をはじめとするコンテンツ・ホルダーの方は、中国インターネット市場をどう捉え、どう動いているのでしょうか?コメントお待ちしております。

 

追記:この執筆は、「中国、3月10日より外国企業のコンテンツ配信を禁止へ」 の前に書かれています。

 


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家田昇悟(IedaShogo)

家田昇悟(IedaShogo)

在学中に中国の日本酒コンサルティング会社で、営業・ECサイト立ち上げのリサーチを経験。帰国後、中国のスタートアップに特化した情報サイト「ChinaStartupNews」を立ち上げ、中国関連のリサーチやコンサルティングに従事する。中国×スタートアップに興味を持つ人が集うFBグループ(https://www.facebook.com/groups/chinastartup/)を運営し、現在参加者は800名を超える。アプリ開発企業にて勤務。