NewsPicksが中国に進出したら?

にーはお!本稿から、「○○が中国に進出したら?」シリーズを始めたいと思います。

 

企画の狙い

 

目的は日本企業の中国進出をケーススタディとして、中国のサービスにはどのようなものがあるか、中国市場ではどれぐらいの資金が動いているか、日本と中国でサービスの共通項や差異はあるのかなどを考え、日本には無い機能や視点を取り入れるのが目的です。

比較する視点は、

  • 市場規模
  • サービスの特徴
  • ユーザーの特徴
  • KPI
  • 資金調達
  • マネタイズ

などです。

第一弾は経済情報に特化したキュレーション・アプリのNewsPicks。

 

名称未設定 3

 

市場規模

 

矢野経済研究所によると日本のキュレーション市場は178億円(2014年)です。ICT総研の調べでは、ニュースアプリのアクティブユーザー数は3,385万人(2016年3月末)に達すると見られています。

易观国际によると、2015年4月時点で中国におけるキュレーションアプリとニュースアプリのアクティブユーザーはそれぞれ6,838万人、19,528万人います。

 

NewsPicks、华尔街见闻(WallStreetCn)、知乎(Zhihu)の特徴は?

NewsPicks

 

NewsPicks

 

  • 記事を全文表示する前にコメントを見せるなどコメント重視。
  • 独自有料記事。
  • プロピッカー制度、人気コメントから上位表示など編集色強い。
  • 匿名性から実名制に変更

华尔街见闻(WallStreetCn)

 

华尔街见闻App下载

 

  • 金融情報に特化したキューレション・アプリ。
  • 東洋経済オンラインのように様々な書き手がいる。
  • コメントした人にたいして、「中立」「偏向」のスタンプを押すことができ、良質な言論空間を保とうと維持している。押されたスタンプが多いほど、コメントで多く押されたボタンが光って目立つようになる。「よくない」ボタンも設置されている。
  • 人気コメントなどがなく、良いコメントにたどり着きにくい。
  • コメントは全文表示された後に、ページを右にスワイプすると表示され、コメントはあまり重視していない。
  • 神コメントが記事とは独立してカテゴリー分けされているものの、果たして意味があるのか?

知乎(Zhihu)

 

知乎(Zhihu) ロゴ

 

  • オールジャンルの質問投稿サイト、知恵袋中国版。
  • 特定のユーザーにメンションを飛ばして質問ができ、専門的な質問も見受けられ、議論も可能。
    • 例えばVCのパートナーにメンションを飛ばすことができる。
    • Uberのロゴが刷新した時に、スレッドが立てられ議論がされるなどかなり専門的なアクティブ。

 

3社を比較、やはり資金調達の桁が違う。

 

下の表で各サービスの、ユーザーの特徴、KPI、資金調達、マネタイズを比較しています。

資金調達で比べると、ご覧の通り桁が1つ違います。

しかしマネタイズに目を向けるとチャンスがありそうです。华尔街见闻(WallStreetCn)は金融情報に特化しており、情報はマクロ経済が中心で広告と相性が悪いです。一方NewsPicksは企業情報が多いです。すでにIBMとのブランド広告を展開していますが、中国でも同じモデルで挑戦できるのではないでしょうか。

 

NewsPicks华尔街见闻(WallStreetCn)知乎(Zhihu)
ユーザーの特徴スマホ世代。スマホ世代。PCがいまだメイン。
速報記事では理解しにくい内容へのコメントを見たい。個人投資家、金融関係者が中心。自分がきになるトピックに関する知見を得たい
KPI登録ユーザー100万(2015年12月)月間UV数千万(2015年末)1700万登録ユーザー(2015年3月)
月間UV1億
資金調達(最新)4.7億円約20億円約63億円
資金調達(合計)約30億円約90億円
マネタイズ記事広告と月額課金広告広告

 

NewsPicksは中国市場で勝てるのか?

 

経済よりもさらに特化して、企業情報に特化してコメント欄をうまく見せることで、他のアプリにはない価値を提供できそうな気がします。

中国がユーザー先行獲得のため広告合戦に陥っている中、プロ・ピッカー制度や記事広告など、編集色を強くしてマネタイズもしっかり行うモデルで切り込むのが良いのではないでしょうか。マスを取りに行こうとすると資金規模でやはり難しそうです。

知乎(Zhihu)は、「よくわからない内容の記事があったら、コメント見るんじゃなくて質問して聞いてみる」ユーザーはたくさんいて手強そうですが、デザインやUI視点だとNewsPicksに軍配が上がります。

良質な言論空間の構築の点においては、「中立」「偏向」ボタンの設置などはNewsPicksも取り入れてもいいのではと思いました。「主観」「客観」ボタンなどが良いかもしれないですね。

まとめると、

  • コメントをうまく扱い、魅せる
  • 企業情報によりフォーカス

することで、他社と差別化し中国市場で生き残れるかもしれません。

 

他に中国で競合となりうる企業、NewsPicksの中国市場における強み・弱みなど、コメントお待ちしています。

 

参考:华尔街见闻CEO吴晓鹏:我们需要更多技术人员

黎瑞刚再出手 1亿元投资华尔街见闻

NewsPicks、登録ユーザー数が100万を突破~オリジナル記事の好評価も背景に

知乎 (C轮)

华尔街见闻 (C轮)


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家田昇悟(IedaShogo)

家田昇悟(IedaShogo)

在学中に中国の日本酒コンサルティング会社で、営業・ECサイト立ち上げのリサーチを経験。帰国後、中国のスタートアップに特化した情報サイト「ChinaStartupNews」を立ち上げ、中国関連のリサーチやコンサルティングに従事する。中国×スタートアップに興味を持つ人が集うFBグループ(https://www.facebook.com/groups/chinastartup/)を運営し、現在参加者は800名を超える。アプリ開発企業にて勤務。