CtoC(Copy to China)とは?投資家を引き付ける魅力的な概念

CtoCという言葉をご存じでしょうか?

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「Consumer to Consumer」、それも正解ですが、注目を集めているのはその意味ではありません。

「Copy to China」

日本のGoogle検索ではまったくヒットしませんが、中国の検索サイト百度で検索すれば以下のように多くの記事がヒットします。

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「Copy to China」とはなんでしょうか?wikipediaではこう記されています。

 

中国企業が成功した国外のビジネスモデルをコピーすること

 

ただ以下の記事では、アメリカのモデルをただパクるだけではなく、中国独自の方法で発達しているといくつかの例をあげて説明しています。その例として、Ggoogleと百度を上げていますが、Googleの撤退理由はもちろん政策上の理由はあるが、何より経営戦略の部分によるとしています。

参考:中国互联网20年的C2C(Copy to China)之路

もちろんアメリカのメディアでも話題に。表を見れば一目瞭然でありますが、dianpingを除いて、すべて中国企業が後発です。

ctoc

参考:Copy to China: Chinese tech clone giants that are stealing the thunder

 

中国企業は模倣をやめろと言いたいのではありません。

伝えたいのは、「Copy to China」は市場としての価値がとてつもなくあり、投資家からの注目が最も熱いことです。

「アメリカで成功しているなら」と投資家が思えば投資をする確率は高くなる。「これは中国独自の商品です」というより、「これはアメリカの商品を参考に作りました」と伝える方が、お金は集まるかもしれない。スタートアップが投資を集めるために、意図的に「Copy to China」という概念を利用しています。

「Copy to China」がビジネスモデルとして成立しているのではないか?中国にローカル化できず苦しんでいる日本企業が学ぶことあがあるのではないか?

日本ではあまり注目されていませんが、これから注目される言葉であることは違いありません。

中国投資のプラットフォーム「投資界」

投資の情報提供からコンサルまでこなす清科グループ傘下のメディア「投資界」。

月間58万PV。「投資」という観点から、様々な情報を発信しています。

 

投資界

 

流入経路を見ると、

 

投資界-2

バランスが取れています。

「投資界」のグループ会社である清科グループは1999年に設立し、中国のベンチャーキャピタルやプライベート・エクイティ産業における総合サービスのリーディングカンパニーとして不動の地位を築いています。下の画像からも分かるように、情報だけではなく、資産管理も行っており、メディア以外で収益を上げていることが伺えます。他の事業を展開後メディアを設立していることからも、オウンドメディアとしての役割が強い可能性が高い。

清科

清科学-2

 

清科グループは他に、月間14万PVの新芽NewSeedも運営しています。

 

新芽

 

メディアがグループ会社の傘下として機能している典型的な例です。Webメディアだけでは収益は立ちませんが、他のコンサルティングや資産運用などと合わせて運営することで、うまく機能させています。

 

メディアが業界でどの位置に属するのかは国によって変わってくると思うので中国のメディア業界の全体像にも引き続き注目したいです。

スタートアップのイベントでマネタイズを図る「创业邦」

「36氪」がコミュニティを核とするなら、「创业邦」はWebで複数のメディアを運営し、イベントでマネタイズしている印象を見受けます。月間PVは75万で、「36氪」の620万PVと比べると少し見劣りしてしまいますが、検索流入が約半分を占め、SEOを意識した設計になっています。

 

创业邦-Traffic

 

创业邦

 

创业邦

 

アメリカのEntrepreneurグループと独占契約を結んだ中国側のパートナーでもあります。Entrepreneurグループはアメリカの歴史で最も長く、最大の中小企業のプラットフォームです。

International Data Group(アメリカ最大のIT関係の書籍出版社、研究、投資を行う)と清科集团の共同投資によって2007年に成立した、中国で初めてのスタートアップに関するメディアで、ネットだけではなく紙の雑誌创业邦杂志も毎月1回発行しています。

 

创业邦杂志

 

さらに快鲤鱼というネットスタートアップに特化したブログメディアも運営しています。

 

快鲤鱼

 

インキュベーションのコンサル、スタートアップのポータプルサイト创业邦项目库の運営も行っており、スタートアップという領域でメディアをすべて運営していこうという気概が見受けられます。

 

创业项目库

 

さらに、メディア運営だけにとどまらず、创新中国(Demo China)と言われる、中国最大のビジネスプランコンテストを開催しています。2006年にアメリカより持ち込まれ、現在までに8回開催し、10都市で述べ2000企業が参加しています。

 

创新中国

 

创业邦年会创新中国校友会连锁50强论坛Innovation Lab创新大赛、中关村-硅谷创新创业大赛なども開催しており。オフラインでのイベントが最大の強みと言えるでしょう。

 

创业邦年会は、2日間の開催で一人3000元(6万円)の参加費で、イベントをうまく利用してマネタイズを図っています。

 

PV数は決して多いとは言えないが、それでもポータプルサイト、ネットスタートアップ専門のメディアなど横展開することでトラフィックを稼ぎ、ビジネスコンテストで収益とブランドをうまく得ているデジタルメディアであると言えます。

 

同じコンセプトで(複数のWebメディアを運営し、イベントでマネタイズ)を行っているメディアは日本にはあまり見られないので、参考になるかもしれません。

中国一のスタートアップメディア「36氪」

中国一のスタートアップコミュニティと呼び声高い「36氪」を紹介します。

 

36氪-4

 

2010年の創業ながら、2012年に中国新メディア30強に選ばれ、同年中国で最も影響力のあるスタートアップのメディアとして賞を受賞するなど、中国でもっとも注目を集めるスタートアップのコミュニティです。メディアだけでなく、コワーキングスペースと投資プラットフォームをサービスとして運営しています。

 

月間PVは620万PV(SimilarWeb調べ、公式サイトよりは1000万PV以上と)。以下の表から分かる通り、ダイレクト流入が約半分と圧倒的なブランド力。

 

36氪-Trafic

 

創業者兼CEOである刘成城は、1988年江苏盐城で生まれ、中国科学院で修士を取得。2013年にフォーブスの中国の30歳以下の起業家30名の1人に選ばれています。

 

刘成城

 

またメディア以外にもオンライン・オフラインそれぞれでコミュニティを持っています。

 

氪空间

 

氪空间-1

氪空间-2

 

コアワーキングスペースとして機能し、北京、南京で展開。3か月以内に、スタートアップが投資を受けることを目標にし、そのために必要なマッチング、アドバイスなどをしています。2014年10月までに29の企業が入り、11のプロジェクトが資金調達とインキュベーションに成功し、総投資額は5000万元(1億円)に達しています。

 

氪加

 

36氪-1

36氪-2

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スタートアップと投資家をマッチングさせるためのサービス。83の投資案件が上がっており、そのうち30あまりがすでに投資を受けています。

 

それ以外にも以下のようなスタートアップと投資家の交流会や、ビジネスプラン発表会なども行っています。

 

「36氪开放日」「WISE 互联网创业者大会」「WISE 1.0 互联网创业者大会」「WISE Talk 主题沙龙」「创业者酒会」 「氪空间路演日 Space Day」

 

メディア、オンラインコミュニティ、オフラインコミュニティという風に、投資家とスタートアップの1つのコミュニティを上手に作っています。中国のスタートアップを追いかけるためには、欠かせない情報が詰まっています。

 

それ以上に、Webメディアがいかにマネタイズするかという文脈でも36氪を引き続き注目していきたいです。

中国の「キュレーション」について

今、メディアで最も熱い言葉の1つと言えば、「キュレーション」であることに異存はないでしょう。

 

情報に孤独そう

IT用語としては、インターネット上の情報を収集しまとめること。または収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有することを言う。キュレーションを行う人はキュレーターと呼ばれる。

引用:コトバンク

 

注目度は、DeNAがキュレーションメディアである「iemo」と「MERY」を50億円で買収したことからも分かります。

 

では、お隣の国の中国はどうなのでしょうか。結論から言うと、まったく流行っていません。検索大手の「百度」で検索しても、検索結果がほとんど出てきません。(約180,000件)Googleで「キュレーション 中国」と検索してもまったくヒットしません。

 

※一方百度で「コンテンツ・マーケティング」と検索すると1,000,000,000件ヒットします。

 

中国語の表記だと、「内容积酿」や「内容策展」になります。博物館のキュレーターが「策展人」という意味なのでそこから来ているのでしょう。ただ気になるのが、どれも2011年と2012年の記事であることです。

 

これだけモバイル化が進んでいる中国なら、日本並みにキュレーション・アプリが流行っていてもおかしくないと思うのですが、なぜかないです。逆に気になります。

 

追記:Webメディアを運営する中国人に聞いたところ、「中国では人の記事を転載するのが当たり前で、ずっと前からキュレーションに相当する行為がずっとあったからではないか」と。

2015年3月21日

 

 

参考:

内容集展 | Content Curation

Curata:内容营销愈发重要

內容積釀(Content Curation)

SNS的未来指向Content Curation(内容策展), 从网络巨头Twitter收购Summify以及Google意

中国の新しいメディアの動きを見るなら中国版メディアの輪郭「新媒体观察」

日本では「メディアの輪郭」という海外のメディアの実験を追ったブログがメディア関係者必読となっています。中国でもこれに該当しそうなメディアがあったので紹介します。

「新媒体观察」です。

 

新媒体観察

新興メディアの趨勢を観察し、伝統メディアの新たな取り組みの成功例を共有する。

ことを目的に運営されています。

参考:新媒体观察微博

 

中国では経済が発展途上にも関わらずすでにモバイル化へと移行しており、メディア業界も躊躇している暇はありません。欧米・日本とはまた違った業界構造ではありますが、注目していきたいです。