じげんが中国市場に進出したら?

じげんが中国市場に進出したら?

にーはお!日本のインターネット企業が中国市場に進出した場合や、すでに進出している場合はどのような展開をしているかを考えることで、中国市場の現状をインプットする趣旨の投稿です。

 

今回取り上げるのは転職サイトEXなど、アグリゲーション・サイトを展開するじげん【3679】。

 

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じげんのビジネスモデル

 

例えば転職EXの場合、クライアントは、リクナビNEXTやマイナビなどの大手ポータプルサイトです。なぜ彼らがじげんのサイトに広告を出稿するかというと、以下のような転職サイトのユーザー獲得における課題があるからです。

 

転職関連は市場が大きく、検索する人も多い。転職サイトは上記に挙げた以外にも数多く存在するため、事業者は自社メディアへの誘導に苦戦しており、SEOで熾烈な争いを続けている。そんな中で自社メディア以外の集客チャネルとして転職EXに各社が参画し、期待を寄せたと考えられる。

引用:『人気沸騰のじげん、利益率5割超えの秘密

 

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画像引用:じげん 事業概要

 

引用の繰り返しになりますが、このビジネスモデルが成立することは、クライアントに「転職サイトが乱立していてSEOでの競争が激しく、自社サイト以外の集客チャンネルを確保したい」というニーズがあることを意味しています。

 

じげん中国版の可能性

 

そして中国にも同じような転職のポータプルサイト(智联、51job、58同城、赶集网、大街网)があるということは、

  • 中国転職サイト市場にもじげん中国版があって良い
  • じげん中国版なければ
    • クライアントにニーズが無い
    • クライアントにニーズがあるが、何かしらの理由がある
  • その理由を潰せば、じげんが中国で成功することは可能

と考えられます。

 

中国転職サイト市場

 

「転職 サイト」「求人 サイト」と検索して、2~3ページまで表示されるサイトをざっくり見た感じでは、「大手転職サイト一括検索」などの説明が大きくあるサイトは無さそうでした。(転職EXの場合はトップページの上部に下記画像が大きくあります。)

 

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画像引用:転職EX

 

とは言え、多数の転職サイトがあり、どこもSEO対策で凌ぎを削っていて、新たな顧客獲得チャネルは欲しいと考えているでしょう。ということは、

 

  • ニーズがあるのは知っていたが、その解決方法を知らなかった=じげんのビジネスモデルを知らない
  • ニーズがあるのを知っていて、じげんのビジネスモデルを用いて解決しようとしたが、解決できなかった

 

と考えられます。中国がパクリ大国であることを踏まえると、後者の可能性が高いです。ニーズをうまく捉えきれず解決できていないと考えるのが妥当そうです。

現地の中国人がクライアントのニーズを捉えきれずに失敗した可能性が高いのに、外国人である日本人が業界の構造を理解して提案まで持っていくのは難しそうですね。

 

じげん中国成功のKPI

 

仮にじげんが中国で成功するためのKPIを設定するなら、

 

  • 大手転職サイトのクライアントに業界の構造を踏まえた提案ができるか
  • 大手転職サイトの決定権を持った人物に会うことができるか

 

でしょうか。現在中国版じげんがうまくいっていないのが、クライアントのニーズ・課題を解決できていないことだとするなら、上記であげたような、業界を理解している重要人物を引き込むことができるがじげんが中国成功を実現するにあたって最初の関門になるでしょう。

 

まとめ

 

じげんのビジネスモデルを抽象化するなら、B2Bのバーティカルメディアと表現できそうです。業界への理解とコネクションがあって初めて、SEOや開発力が活きそうなので、外国人が中国市場を攻略するのは難しそうに感じました。

とはいえ、現地のキーパーソンを捕まえれば、業界への理解とアクセスの難しさを解消でき、すでにノウハウがあるじげんに成功への可能性が大きく開くでしょう。

決算書に中国というワードは特に見つけることはできなかったのですが、中の人から中国市場をどう考えているか聞いてみたいです。

 

 

NewsPicksが中国に進出したら?

NewsPicksが中国に進出したら?

にーはお!本稿から、「○○が中国に進出したら?」シリーズを始めたいと思います。

 

企画の狙い

 

目的は日本企業の中国進出をケーススタディとして、中国のサービスにはどのようなものがあるか、中国市場ではどれぐらいの資金が動いているか、日本と中国でサービスの共通項や差異はあるのかなどを考え、日本には無い機能や視点を取り入れるのが目的です。

比較する視点は、

  • 市場規模
  • サービスの特徴
  • ユーザーの特徴
  • KPI
  • 資金調達
  • マネタイズ

などです。

第一弾は経済情報に特化したキュレーション・アプリのNewsPicks。

 

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市場規模

 

矢野経済研究所によると日本のキュレーション市場は178億円(2014年)です。ICT総研の調べでは、ニュースアプリのアクティブユーザー数は3,385万人(2016年3月末)に達すると見られています。

易观国际によると、2015年4月時点で中国におけるキュレーションアプリとニュースアプリのアクティブユーザーはそれぞれ6,838万人、19,528万人います。

 

NewsPicks、华尔街见闻(WallStreetCn)、知乎(Zhihu)の特徴は?

NewsPicks

 

NewsPicks

 

  • 記事を全文表示する前にコメントを見せるなどコメント重視。
  • 独自有料記事。
  • プロピッカー制度、人気コメントから上位表示など編集色強い。
  • 匿名性から実名制に変更

华尔街见闻(WallStreetCn)

 

华尔街见闻App下载

 

  • 金融情報に特化したキューレション・アプリ。
  • 東洋経済オンラインのように様々な書き手がいる。
  • コメントした人にたいして、「中立」「偏向」のスタンプを押すことができ、良質な言論空間を保とうと維持している。押されたスタンプが多いほど、コメントで多く押されたボタンが光って目立つようになる。「よくない」ボタンも設置されている。
  • 人気コメントなどがなく、良いコメントにたどり着きにくい。
  • コメントは全文表示された後に、ページを右にスワイプすると表示され、コメントはあまり重視していない。
  • 神コメントが記事とは独立してカテゴリー分けされているものの、果たして意味があるのか?

知乎(Zhihu)

 

知乎(Zhihu) ロゴ

 

  • オールジャンルの質問投稿サイト、知恵袋中国版。
  • 特定のユーザーにメンションを飛ばして質問ができ、専門的な質問も見受けられ、議論も可能。
    • 例えばVCのパートナーにメンションを飛ばすことができる。
    • Uberのロゴが刷新した時に、スレッドが立てられ議論がされるなどかなり専門的なアクティブ。

 

3社を比較、やはり資金調達の桁が違う。

 

下の表で各サービスの、ユーザーの特徴、KPI、資金調達、マネタイズを比較しています。

資金調達で比べると、ご覧の通り桁が1つ違います。

しかしマネタイズに目を向けるとチャンスがありそうです。华尔街见闻(WallStreetCn)は金融情報に特化しており、情報はマクロ経済が中心で広告と相性が悪いです。一方NewsPicksは企業情報が多いです。すでにIBMとのブランド広告を展開していますが、中国でも同じモデルで挑戦できるのではないでしょうか。

 

NewsPicks华尔街见闻(WallStreetCn)知乎(Zhihu)
ユーザーの特徴スマホ世代。スマホ世代。PCがいまだメイン。
速報記事では理解しにくい内容へのコメントを見たい。個人投資家、金融関係者が中心。自分がきになるトピックに関する知見を得たい
KPI登録ユーザー100万(2015年12月)月間UV数千万(2015年末)1700万登録ユーザー(2015年3月)
月間UV1億
資金調達(最新)4.7億円約20億円約63億円
資金調達(合計)約30億円約90億円
マネタイズ記事広告と月額課金広告広告

 

NewsPicksは中国市場で勝てるのか?

 

経済よりもさらに特化して、企業情報に特化してコメント欄をうまく見せることで、他のアプリにはない価値を提供できそうな気がします。

中国がユーザー先行獲得のため広告合戦に陥っている中、プロ・ピッカー制度や記事広告など、編集色を強くしてマネタイズもしっかり行うモデルで切り込むのが良いのではないでしょうか。マスを取りに行こうとすると資金規模でやはり難しそうです。

知乎(Zhihu)は、「よくわからない内容の記事があったら、コメント見るんじゃなくて質問して聞いてみる」ユーザーはたくさんいて手強そうですが、デザインやUI視点だとNewsPicksに軍配が上がります。

良質な言論空間の構築の点においては、「中立」「偏向」ボタンの設置などはNewsPicksも取り入れてもいいのではと思いました。「主観」「客観」ボタンなどが良いかもしれないですね。

まとめると、

  • コメントをうまく扱い、魅せる
  • 企業情報によりフォーカス

することで、他社と差別化し中国市場で生き残れるかもしれません。

 

他に中国で競合となりうる企業、NewsPicksの中国市場における強み・弱みなど、コメントお待ちしています。

 

参考:华尔街见闻CEO吴晓鹏:我们需要更多技术人员

黎瑞刚再出手 1亿元投资华尔街见闻

NewsPicks、登録ユーザー数が100万を突破~オリジナル記事の好評価も背景に

知乎 (C轮)

华尔街见闻 (C轮)

連続起業家から学ぶ、スタートアップが中国に進出する際の4つの方法(人材獲得編)

連続起業家から学ぶ、スタートアップが中国に進出する際の4つの方法(人材獲得編)

東南アジアで写真チャットアプリ「Koala(コアラ)」を提供するシナモン代表の平野未来さん(下写真)が中国マーケットに展開すべく人材獲得のために上海に滞在されていて、数日間同行させていただきました。その中で参加されたイベントなどを「スタートアップが中国に進出する際の4つの方法(人材獲得編)」としてまとめました。中国に進出を考えている方は参考にしてみてください。中国での資金調達とアプリ展開を考えているため、中国のスタートアップに詳しいマーケッターを獲得するのが今回の目的でした。

 

平野未来

 

1:現地のイベントに参加する。

 

平野さんから連絡をもらったきっかけは、中国のスタートアップ関連のイベントを教えてほしいということでした。シンガポールで起業された際もまず現地に入って、交流しながら人材を見つけたそうです。中国も同様に、まずは現地のイベントに足を運びたいとのことでしたので、いくつかイベントをピックアップして同行することにしました。その際に使ったのが「活动行」というイベント共有サイトです。このサイトを使えば中国で開かれるスタートアップ関連のイベントはほぼ網羅できます。もちろんイベントを開きたい場合に発信側として使うことも可能です。Paypalでの支払いにも対応しているとのことです。

 

活动行

 

上海区を担当する叶子さんが企業のプロモーションを担当されているそうです。コワーキング・オフィスで偶然出会いました。ちなみにこのビジネスモデルですが、ほとんどが無料イベントのため手数料での売り上げはほぼなく、プロモーションでの売り上げがほとんどを占めるそうです。

 

活动行 女人

 

2:人材マッチング会社を使って、採用を募集する。

 

2日目に行ったのが、「HiStarter」という人材系スタートアップが主催するイベント。(平野さんは他用のため筆者のみ参加。)スタートアップに特化した人材マッチング・サービスを展開しています。人材募集サービスは今のところすべて無料で使えるとのことです。ちなみにこのスタートアップ、リクルートが主導する「startuploft」というインキュベーションから生まれた事業です。

 

histarter

 

HiStarter」の美男美女に対応していただきました。

 

histarter 美女美男

 

3:起業家と投資家のハブとなるスタートアップ・カフェを活用する。

 

3日目に行ったのは、「IPOClub」が主催するO2Oがテーマのピッチイベント。「IPOClub」はコワーキング・スペースやカフェを運営し、ほぼ毎日のようにイベントを行っています。今回はピッチイベントでしたが、VCとのフランクな交流会なども毎週開いています。近くには同济大学や復旦大学などがあり、上海の優秀な大学生はこの辺りをうろついています。上海スタートアップ関連の多くの情報がこちらに集まっているのではないでしょうか。当日は約40人が集まり、スタートアップによるピッチ→投資家によるフィードバック(今回はなかったが基本的にあるそう。)→交流会という構成。平野さんは交流会で現地の人たちと積極的に交流し、Face2Faceで人材を探していました。またIPOClubでは必要に応じて、大規模イベントでのポスターや広告の作成なども代行してくれるそうです。IPOClubは市内から電車30分ほど離れたところにありますが、市内にある「新咖啡」もコワーキング・オフィスを併設するカフェでとてもいい感じでした。

 

ipoclub

IPOClubの様子

 

新咖啡

新咖啡」の様子

 

4:インキュベーション×コワーキング・オフィスへ入居する。

 

4日目はTechCrunch上海へ。数多くの企業が出展していました。その中で、日本のスタートアップが中国マーケットに進出するときに大きな助けとなりそうなインキュベーション・センターが6月中旬よりオープンするとの情報が。TechCrunchの中国側パートナーである「动点科技」が運営する「X-NODE」です。中国のスタートアップ界隈に日本人はあまりいないのですが、X-NODEでは日本デスクを設置し、しかも日本人を担当者として設置するとのこと。CEOの周さん曰く、日本の投資家や起業家はぜひコワーキング・オフィスなども活用してほしいとのことです!CAVも関わっています。他にもインキュベーション×コワーキング・オフィスを提供するものとして「InnoSpace」などがあります。

 

xnode

 

techcrunch xnode

TechCrunch上海ブースに出展する「X-NODE

 

まとめに代えて:中国のアプリで現地の人と繋がる。

 

平野さんは学習し始めた中国語と、シンガポールで使い慣れた英語を駆使して現地の人と積極的に交流し、「Weixin」を初めとする中国アプリでで連絡先を交換していました(英語でメッセージを送っても中国語で返事が返ってくるそうで、中国語の学習にはもってこいとのこと笑)。終始、中国のアプリを片手に中国人と積極的にコミュニケーションを取っていた平野さんが印象的でした。

中国のメディアで報道されるのを楽しみにしています!

 

中国現地での人材獲得や、イベントへの参加を検討されている方は、家田までご連絡ください。できることがあればお助けします。

 

画像:各HPまたは筆者撮影。