ビル下で見た!熾烈を極める中国のフード・デリバリー系スタートアップ(北京の旅2日目)

にーはお!中国のスタートアップ・IT業界をお届けします。

 

3年前に北京へ行ったのは、当時お付き合いしていた彼女にふられ、「納得していないのなら北京に行ってこい」と先輩に言われ、強制的に行かされたのでした。

3年前つまり2012年当時、フード・デリバリーのスタートアップはまだシードAぐらいでしたが、僕が男としてあまり成長しない間に、時価総額が数千億円の企業が生まれるほど、発達しています。

ビル下で撮った写真から、中国のフード・デリバリーの盛り上がりを感じてもらえたら嬉しいです。

 

今日だけで8社見たのですが、差別化はビジネスモデルになります。

1つめは完全なるプラットフォーム型。中国語では「軽」モデルと呼ばれています。配達したい人と注文したい人をマッチングするだけで、プラットフォーム側は配送は行いません。

2つめは「重」モデルで、プラットフォーム側が全て配送を行うモデルです。

3つめは「軽軽」モデルで、物流をソーシングさせています。

4つめは「軽」+「重」モデルです。

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バイクの後方に各企業のロゴが入った弁当箱を載せています。昼の12時くらいのビル下の光景です。

まずは市場規模から見ていきましょう。

飲食市場規模

レストラン業界全体ですが、年々10%超えの成長。中国のGDPが7%を下回っているのを考えると、かなり盛り上がっていますね。市場規模は27860億元(約54兆円)で、日本は25兆円前後で規模で2倍超え、しかも日本は97年以来ずっと縮小しているので、中国市場は大変魅力的。

飲食O2O市場規模

レストラン×O2Oで見ると、2014年までは年々倍速以上で成長し、現在の市場規模は975億元(約1.8兆円)でインターネットの浸透率は3.5%。しかし2017年には20%まで落ちるので、資金調達の環境は数年後にはがらっと変わりそうです。

外卖市場規模

フード・デリバリーですが、成長率は20%前後で、市場規模は1621億元(約3.2兆円)です。

外卖O2O市場規模

フード・デリバリー×O2Oで見ると、2014年までは年々3倍の猛スピードで成長し、現在の市場規模は95億元(約1900億円)。しかし今後は2倍成長は厳しくなり、早いうちにビジネスモデルを確立しないと、撤退に追い込まれる企業がかなり出てくるでしょう。

 

では、個別スタートアップのモデルを現場の写真とお送りします。

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まずは「軽」モデルの美团外卖(Meituanwaimai)。中国No.1クーポンサービスの美团が運営しています。最近レビューサイトのDianpingとの合併を発表したことで話題になりました。2013年11月にローンチ後、すでに250都市に展開しています。

続いて「重」モデルのスタートアップですが、筆者の散策途中では見つかりませんでした。見つからないということはそういうことでしょう。資料を見るに、カバー都市が多くて10とかなので、市場シェアの点ではうまくいっているモデルとは言えません。

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「軽軽」モデルの达达(Dada)。物流を自前では持たず、ソーシングで配送しています。急速に都市拡大ができるものの、配送サービスが標準化されてないので、そこが弱みに。2014年6月のローンチし、現在は20都市をカバーしています。

なぜソーシングしているのに、この箱を持っているんだろう思ったのですが、多分配達する人は固定化されるので、支給されているのかなと。5〜6人でやっているバイク便専門の会社とかが注文を下請けになっていると思います。

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「軽」+「重」モデルの百度外卖(Baiduwaimai)。文字通り百度(Baidu)傘下。何をもって、軽いと重いを分けているかというと、市場(ターゲットと単価)です。高単価のサラリーマン向けには例えばケンタッキーなどの大手会社と連携して、自社で物流を行います。一方低単価の学生向けには個人が経営しているお店とのマッチングだけに徹して、プラットフォーム側は配送は行いません。(もちろん配送を行うこともできますが、その分割高になるのでお店のコスト次第)。

前者で参入コストを築きながら、後者で市場シェアと認知度を拡大するというのが「軽」+「重」モデルの戦略です。

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他にビル下でよく見たのが、饿了么(Eleme)です。

ざっとフード・デリバリーのスタートアップのビジネスモデルを紹介しました。詳しくは「外卖O2O平台:饿了么体验报告-供应链方向」にあるので、そちらを見てもらえたらと思います。本記事中の資料はすべて上記より借りてきました。

 

どのビジネスモデルを採用しているスタートアップが市場シェアで上位を占めているのでしょうか?ビル下を見れば一目瞭然でした。

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饿了么(Eleme)!!!2015年8月に6.3億ドルの調達を行い、現在の推定時価総額は30億ドル。事業数値は以下になっており、出前館の月間取引額が18億円なので、2日あれば出前館の1ヶ月分の取引量を超えるという、尋常なスケール感です。

ユーザー数:4000万人以上

カバー都市:国内260都市

提携飲食店:30万

一日当たりの取引額:6000万元(約12億円)

引用:中国のフードデリバリー最大手Ele.me(餓了麼)が6億3,000万米ドルを調達、評価額は30億米ドルに

外卖O2Oシェア

統計で市場シェアを見ても圧倒的です。ただ最初にレストランO2Oのマクロの数字を提示したように、現在の50%を超える成長率は年々低下し、3年後には現在のような大型の資金調達は難しくなり、合併する可能性が高いです。饿了么(Eleme)は腾讯(Tencent)の資本が入っており、美团(Meituan)は阿里巴巴(Alibaba)の資本が入っており、親会社の思惑の元、合併に動くのではないかと。

O2Oサービスでは、タクシーの配車サービス・クーポンサービス共に腾讯(Tencent)と阿里巴巴(Alibaba)の資本が入った会社が合併し、百度(Baidu)は孤立しています。

一方饿了么(Eleme)は3年以内に上場する可能性もあり、もう一波乱ありそうで、中国フード・デリバリーのスタートアップからは目が離せません。

中国インターネット家具業界研究レポート 2015年版 【PickUp】

【PickUp】中国スタートアップ

伝統産業+インターネットが盛り上がる中国。家具業界もインターネット化の流れが押し寄せています。

PickUpしたのは、インターネット家具業界の最新レポート。

 

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伝統産業における家具業界の特徴と問題点、そこに対してインターネットがどうアプローチしているのか、どういう具体例があるのかをまとめています。

中国インターネット家具業界の市場規模は2014年時点で、1100億元(2.2兆円)。このレポートによると、2017年には2倍に達するとみられています。

業界関係者はぜひ。

 

参考、画像:易观国际:2015年中国互联网家装市场专题研究

美容モバイルO2O研究レポート 2015年版【PickUp】

【PickUp】中国スタートアップ

 

O2O、店舗への送客サービス・アプリが盛り上がる中国ですが、美容業界のモバイルO2Oのレポートが上がっていたので、PickUp。

 

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エステ、ネイル、美容室、整形、訪問美容と各分野、プレーヤーは出揃っています。

中国人女性ユーザーに聞くと、多くがまだ「大众点评(dianping)」を中心に使っているそうですが。。。

バーティカルなメディアのビジネスモデルやキャンペーン方法などは、日本も参考にできそうです。

 

参考、画像;Talkingdata:2015美业O2O移动应用行业报告

【速報】テイクアウト配送の「饿了么」が6.3億ドルをシリーズFで調達。調達総額は11億ドルに。

中国のスタートアップ界隈の出来事をお届けします。

テイクアウト配送の「饿了么」が、「中信」・「Tencent」・「京东」・「セコイア」などから、6.3億ドルをシリーズFで調達しました。これで「饿了么」の調達総額は11億ドルに。

 

饿了么 上市

 

2015年7月までに、従業員は1万人、オンライン注文のカバー都市は260、ユーザー数は約4000万、加盟店舗は30万、注文金額/日は6000万元(940万ドル)、モバイルからの注文は98%を超えています。

調達した額は、引き続きユーザー獲得のために使うそうです。またTencent系列の「大众点评」、「京东」などとの連携も積極的に展開していきます。

上場も噂されていますが、どうなることやら。

 

参考、画像:重磅:饿了么再获6.3亿美元F轮融资!

火鍋O2Oの体験レポート

【PickUp】中国スタートアップ

 

火鍋O2Oの体験レポート。

 

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重い、かさばる、冷めるとまず、言い出せばきりがないくらい配送には最も相性が悪い領域かと思うのですが、どうでしょう。日本でも宅配ラーメンのスタートアップなどあるので、参考になる部分は多そうですね。

 

 

参考、画像:挑食火锅送:火锅O2O体验报告

家事020で顧客基盤を作り、スマートホーム領域に挑む「好慷在线」が7000万元を調達

中国のスタートアップ界隈の出来事をお届けします。家事020の「好慷在线」(homeking365)が7000万元を調達しました。さらに中国スタートアップ界隈のの有力メディア「36kr」によると、スマートホームとヘルスケア領域にも挑戦していくとのことです。

 

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好慷在线」は掃除のおばさん(中国語で「啊咦(ayi)」と呼ぶ。)を予約し、決済までできるプラットフォームを提供しています。

面白いのは、家事サービスから、スマートホームやヘルスケアの分野に参入していようとしているところです。単価の低い家事サービスから顧客を獲得し、さらにスマートホーム関連デバイスを販売する流れを企んでいます。(すでに空気清浄機会社と提携)

家事予約サービスで完結することなく、その顧客基盤を基にもっと大きなことを狙っている「好慷在线」。他社がどう今回の報道に反応し、またBATがスマートホームにどうかかわっていくのかが気になるとことです。

参考、画像:【独家】家政 O2O “好慷在线”完成 7000 万人民币 B 轮融资,引入智能家居概念

ガソリンスタンドに並ばなくていい?「易加油」がPreAで2000万元を調達

ガソリンに関わるあらゆる手間を省いてくれるアプリが登場し、2000万元を獲得しました。その名も「易加油」。

 

易加油

 

ガソリンが無くなればAPPで通知されます。消費者は、並ばなくていいもの、評価のいい店を選び、ガソリンスタンドに。もちろん決済はすべてAPPで完結するので、下車する必要がありません。

決済完了後は、アプリな内で領収書と次回の割引券を受け取ります。さらにシェアすることでそれを見た友達も割引券を使うことができ、お店のプロモーションにも使えます。

日本にも「ガススタ!」というAPPがありのですが、投稿サイトというだけで、決済やクーポン機能はありません。「iGS

も位置情報のみで、モバイル決済には至っていません。

モバイル決済なら中国の方が進んでいると思わせる資金調達でした。

 

参考、画像:互联网+油站来了,易加油获深创投2000万Pre-A轮融资

クラシファイドサイト最大大手の「58同城」が「4+N」という新戦略を掲げ、30億ドルを目安に投資していくことを表明。

中国のスタートアップ界隈の出来事をお届けします。クラシファイドサイト最大大手「58同城」の姚劲波氏が「4+N」という新戦略を掲げ、30億ドルの予算で、100社のO2O企業に投資していくことを発表しました。中国の巨大インターネット企業としてBAT(Baidu、Alibaba、Tencent)という呼称が使われていましたが、そろそろ変更する必要がありそうですね。

 

姚劲波

 

2015年に入っての「58同城」の出資・買収額は少なくとも15億ドル以上、時価総額は一時75億ドルを超え、「阿里巴巴」、「腾讯」、「百度」、「京东」の次につけています。

不動産、自動車、訪問サービス、求人の4つを基礎に、以下の方式を用いて、N(中国語では不特定多数を表現するときにNを使います。)個の020の領域に事業を拡大していき、

1、プラットフォーム・イノベーションモデル(Alibabaから、TaobaoやT-Mallが出現したのと同じ方式)

2、出資と買収

3、内部でのインキュベーション

4、投資イノベーション型サービス

O2Oのエコ・システムを作っていくとのこと。

 

3~5年の投資予算は時価総額の20%にあたる30億ドル程度を目安に考えているそうです。つまり時価総額は「58同城」と「赶集」を合わせて150億ドルになると見積もっています。

BATの投資の動きが今までは大きく取り上げられていましたが、いよいよO2O最大大手の「58同城」が本格参入を表明しました。どうやってエコ・システムを築いてくのか、BATとの戦いから目が離せません。

 

参考、画像:姚劲波:58未来投资100家O2O公司,打造生态链

家事代行020サービス「e家洁」が業界最初のシリーズCで数億元を調達

中国のスタートアップ界隈の出来事をお届けします。家事代行020サービス「e家洁」が業界最初にシリーズCに達し、数億元を調達しました。

 

e家洁

 

2015年上半期で、「阿姨帮」、「e家洁」、「阿姨来了」、「云家政」の4大家事代行O2Oサービスが、シリーズC未満で、1億元の資金調達を完了していました。さらに、クラシファイドサイトの「58同城」が家事代行O2Oに3億ドルを3年以内に投資することを表明しているなど、大手も参入しています。

2015年は各社巨額の資金調達に動くとみられています。そしてシェアを伸ばしたところで、BATへの売却、もしくはBATから戦略的出資を受けてサービスをさらに拡大させ、IPOというルートの2通りがあるでしょう。

注目は、シェアリングのC2C(個人の家政婦と消費者をつなぐ)、プラットフォーム型のB2C(家政婦業者と消費者をつなぐ)、自社代行サービスのO2O(家政婦を自前で用意)のどのモデルが市場シェアNo.1を取るかです。

宿泊サービスでは、B2C(オーナーと消費者を結ぶ)に軍配が上がったと伝えましたが、家事サービスはどうなるでしょうか?

 

 

参考、画像:家政O2O公司e家洁获数亿元人民币C轮融资

2015年家政O2O数十亿资本圈地战进入C轮

阿姨帮:家庭保洁是个大市场?

市場拡大が見込まれる家事代行サービス

 

BATの投資先から考える、中国スタートアップ2015年度上半期と下半期の資金調達トレンド

[link2post id=”1740″]2014年度のBATの資金調達のトレンド[/link2post]を紹介しました。最後、

 

バイドゥは研究開発に重点を置き、アリババはコンテンツの投資に走り、テンセントはWeChatを軸にしたO2Oエコシステムを作り上げるため様々な領域の企業に投資をしていました。以上がBAT各社の重点投資領域であります。しかし重点分野でなくとも投資額・案件共に絶対数では大きく、実際はすべての分野で競争していると言えます。2014年度の状況が分かると、2015年度の日々の資金調達の情報も繋がって見えてくるでしょう。

 

と締めました。では、2015年度上半期の資金調達はどう動いたのでしょうか?以上の領域が重点的に投資されたのでしょうか?

本稿では、2015年度上半期のBATの投資領域のトレンドを振り返るとともに、2015年度下半期のトレンドを予測してみます。

2015年3月より、中国スタートアップ関連の記事を、タイトルだけではありますが、毎日200~300読んできて、なんとなくここが盛り上がっているんじゃないというのは、わかってきたつもりです。それではどうぞ。

 

2015年上半期トレンド-BAT-

 

まずは、BAT(Baidu、Alibaba、Tencent)の投資トレンドから見てみましょう。2014年度をもう一度振り返っておくと、

・バイドゥは研究開発

・アリババはコンテンツへの投資

・テンセントはWeChatを軸にしたO2Oエコシステム

でした。

Baidu

 

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2014年度は投資があまりなく、研究開発を重点的に行ったBaidu。2015年度上半期はどうでしょうか?

金額で約3.6億ドルで、Alibabaの約22.5億ドル(16件)、Tencentの約25.6億ドル(27件)に比べると見劣りします。大きな投資は、中古車のオークションサイトである「优信拍」で、1.7億ドルです。

しかし、注目すべきはBMWとの自動運転自動車の開発でしょう。王勁・高級副総裁は今年後半に自動運転車を公開すると発表しています。都市開発を手掛けることで、一発形勢逆転を狙っているのではないでしょうか?

 

Alibaba

 

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2015年度上半期は、約22.5億ドル以上の投資を行いました。コンテンツ系は2件でしたが、金額ベースだと5.8億ドルで投資額の約1/4を占めています。

5.8億ドルの投資先は上海メディアグループ傘下である大手経済メディアの「第一财经」(データ分野でも連携)と深センに上場している総合エンターテイメント企業の「光线传媒」です。

2015年度上半期のAlibabaは2014年度と同じくコンテンツ系への投資が中心でした。

 

Tencent

 

饿了么

 

2014年度はO2Oエコシステムを創るための投資が活発でしたが、2015年度上半期はどうでしたでしょうか?

投資額、投資案件が約25.6億ドル(27件)となり、2015年度を逆転、Alibabaを上回っています。

投資領域はO2Oへの投資が明らかでした。

本メディアでも何度か取り上げているテイクアウト配送を手掛ける「饿了么」に3.5億ドル、食べログ中国版「大众点评网」に8.5億ドル、鉄鋼や映画などを手掛けるコングロマリットの「刚泰控股」に5.2億ドル、と相変わらずO2Oへの投資を活発にしています。Weixinに大きな変化はなく(タイムライン広告が試験的に開始されたぐらい)、Weixinのプラットフォームをいかに有効活用するかが彼らの課題と言えます。

 

2015年度上半期末に勃発したBaiduとAlibabaによるO2Oエコシステム争奪戦

 

重模式O2O

 

2014年度と同じく、2015年度上半期も巨大インターネット企業の事業領域に合わせる形で、資金調達が活発に行われました。(全体orVC視点の資金調達トレンドは別の機会にまとめます。)

しかし!もう上半期も終わるので記事を書こうと思っていた、6月23日Alibabaより大きな発表がありました。

60億元を投じO2Oサービスの「口碑」を設立

 

さらに、それに呼応するかのように6月30日Baiduの董事長リー・ロビンソンが宣戦布告。

020領域に3年以内に200億元(4000億元)の投資することを董事長直々に宣言

 

李彦宏

 

2015年2月の配車サービスの合併で、BATによるO2O投資合戦は収まりを見せたのかと思ったのですが、まだまだ続くようです。驚きはBaiduです。2014年度15年度前半は、自動運転車の研究開発ばかりと思わせておいて、いきなり200億元(4000億円)を使ってきたのですから。

さらには、合併した配車サービスはもちろんのこと、クラシファイドサイトの大手2社が合併共同購入サイトシェアNO.1の「美团」がオンライン金融に参入し10億ドルの資金調達に動き出すなど、BAT以外にもO2Oの投資側のプレーヤーが上半期の間に揃ってきました。

 

2015年度下半期のトレンドは?

 

しかし、気になるというか面白くないのが、BAに対するTencentの反応が何もないことです。下半期にはTencentがBAに対抗する形で、「スマートライフソリューション」みたいな宣言をしてくることを予想してみます。

58赶集」や「美团」など、巨大インターネット企業によるO2O領域への投資は、下半期以降も加速していくでしょう。しかし配車サービス業界に起こったように、投資合戦は合併に落ち着く可能性が高いです。大型合併が旅行、インターネット自動車業界あたりで起こりうる可能性も無きにしも非ずです。とにもかくO2O領域での大型資金調達が2015年下半期のトレンドになるでしょう。

そして、2015年度下半期の注目は、O2O領域でずっと遅れを取っていたBaiduがどこに投資をしていくかです。Baiduの巻き返しには要チェックです!

 

 

参考:盘点2015年上半年O2O行业五大热点

2015年上半年O2O市场盘点:巨头入场 行业发生的大动荡

資金調達のデータは、IT桔子より引用

画像:各社HP

共同購入サイト「美団」が10億ドルの調達に動き出す。

中国スタートアップ界隈の出来事をお届けします。2015年 1 月にシリーズDで7億ドルの調達を終えたばかりの「美团」ですが、WSJ によると次の10億ドルの出資へ動き始めたようです。時価総額は150億ドルになるとみられています。

 

美団150億

 

2億人のアクティブユーザー、中国内1000強の都市で展開、2014年の取引額は460億元を超え、「アリババ」と「京东」に次ぐプラットフォームになっています。さらにテイクアウトサービスの「美团外卖」は250都市に展開し、注文数は230万を超え、市場シェアは約50%に達するなど、2010年の設立以来、とんでもないスピードで大きくなりました。

しかし、テンセント系の「京东到家」や「大众点评」、アリババ系の「支付宝9.0版」や「口碑」など、「美团」の周りは競争相手ばかりです。

※「中国共同購入サイトに参入したBATの5年にわたる戦いの勝者は?バイドゥ、アリババ、テンセント?」を参考

 

「アリババ」の戦略的出資は受けたものの、実際に「アリババ」とは競争の関係で、孤独な「美团」。

今回の出資で新たな戦略的パートナーを見つけることができるのかが、大きな注目を集めそうです。本誌ではBATの資本参加はなく、不動産のコングロマリットやホテル系が020強化のために、大型出資してくるのではと予測します。

小米(シャオミ)がO2O強化のために参入してくるかと予測した人はなかなか良い線をいっていると思います。しかし、2015年5月のインタビューで、「携帯電話、テレビ、スマート家電の自社領域で100の商品を販売する」ことを第一に掲げており、現在のタイミングで小米(シャオミ)がO2Oに参入してくることはないでしょう。

 

参考、画像:美团又要融10亿美元,估值超150亿美元

 

バイドゥがクラシファイドサイト「百姓网」に出資。O2Oエコシステムの確立を急ぐ。

中国スタートアップ界隈の出来事をお届けします。

2015年7月7日、バイドゥがクラシファイドサイト「百姓网」に出資しました。金額は明らかになっていませんが、[link2post id=”1640″]バイドゥの200億元の出資構想[/link2post]の一手であることに間違いありません。

 

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百姓网」は月間アクティブユーザーが数億人を超える一方で、2015年4月にクラシファイドサイトのシェア一位と二位の「58同城」と「赶集网」が合併し、苦戦していました。

さらにバイドゥはテイクアウトでは、自社の「百度外卖」が「美团外卖」や「饿了么」に後塵を拝し、共同購入サイトでは、「百度糯米」が「美团」と「大众点评」に水を開けられ、何とかO2Oサービスで挽回していきたいと考えてたところでした。

クラシファイドサイトは地域によりある程度細分化されるため、特定の地域に集中的に資本を投下させることで挽回が可能であると判断したのではないでしょうか?

今回の出資を歯切りに、バイドゥは様々なO2Oサービスに切り込んでいくでしょう。

その予算は200億元(4000億円)で、リクルートの現預金3000億円よりも大きい金額です。旅行系スタートアップなら日本の企業でも買収の可能性はあるかも?

BATを意識して、日本の企業もスタートアップする時代になったと言えるでしょう。

 

参考、画像:百度投资百姓网,谁说“小三”没人爱?!

リクルートが狙う新規事業領域(中小B2B・教育・ヘルスケア)にM&Aの機会あり

O2Oを強化させるため、旅行・観光予約サイトの「同程」がコングロマリットである「万达」などから60億元の資金調達を完了。

中国スタートアップ界隈の出来事をお届けします。中国の旅行・観光予約サイトの「同程」が、合計60億元の資金調達を完了しました。企業価値は130億元に。

 

同程

 

2004年の設立以来、「同程」はこれまで4回のラウンドを行い計数億ドルの資金調達を行ってきました。

今回の資金調達の注目すべきは、中国のコングロマリットである「万达」が35億元の戦略的投資を実行したことです。不動産に圧倒的な強みを持つ「万达」は、オフラインでの事業をオンライン旅行予約サイト「同程」と協働し、O2Oを加速させたいのでしょう。

同程」はテンセントからも出資を受けており、中国最大のコミュニケーションアプリの「Weixin」と「QQ」から莫大なトラフィックの流入も狙っています。

テンセントと「万达」がO2Oでのエコシステム確立のために大きな動きを見せてきました。

他の不動産や百貨店なども「万达」に対抗して、戦略的出資を「携程」などに仕掛けてくれるのではないでしょうか?

 

参考、画像:获万达战略投资,同程完成新一轮60亿元融资,估值暴涨

7000万ドルを獲得した生鮮果物ECの「天天果园」次の一手は?

中国スタートアップ界隈の出来事をお届けします。「[link2post id=”1438″]天天果园[/link2post]」が中国EC大手の「京东」と協同でO2O店舗を100店舗出店することを表明しました。

 

天天果

 

[link2post id=”1612″]手ぶらで買い物に行ける未来のスーパー[/link2post]が出現した通り、オフラインでの店舗設営が中国O2Oの今年のテーマでしょうか?

 

o2oネットカバー率

 

とは言っても、各業界のネットカバー率はまだ5%にも満たないところがほんとどです。オフラインに完全に舵を切ったというよりは、他社との差別化のために、オフラインでの出店をしていると理解した方が良さそうです。

しかし中国O2O業界がオンラインにおけるユーザー体験の向上やビジネスモデルといった段階ではなく、物流システムをいかに構築するか、顧客のラストワンマイルジョブでの価値体験をいかに最大化させるかというのがトレンドであり、他社との差別化になっているのは間違いありません。

 

参考、画像:背靠京东 天天果园年底将开100家O2O店

艾瑞咨询:2013年中国O2O市场分析–信息图

O2Oクリーニング「e袋洗」がバイドゥ主導の1億ドルの資金調達を完了したが、それが意味することを予測できますか?

中国スタートアップ界隈の出来事をお届けします。2018年には2000億元に到達するクリーニング市場。しかし現在のクリーニング市場におけるネットカバー率はたったの0.04%しかなく、まだまだ成長の見込みがあります。

シェア第2位のO2Oクリーニング「e袋洗」がシリーズBでバイドゥをリードインベスターとして1億ドルの資金調達を行いました。バイドゥがリードインベスターとして巨額の資金調達に参入した意図はなんでしょうか?この資金調達を基に、中国O2Oクリーニング市場のこれからを占ってみたいと思います。

 

洗涤O2O

 

プレーヤー

 

シェアを見ると、「泰笛洗涤」が75%、今回資金調達を行った「e袋洗」が20%、残りは「懒猫洗衣」が3%、「泡泡洗衣」が0.8%、「衣卫士」が0.5%、「我要洗衣」が0.4%、「懒到家」が0.3%とプレーヤーは完全に決まっています。

なぜ「泰笛洗涤」はこんなにも大きなシャアを取ることができたのか?COOの黄宝存氏はこう言っています。

「我々は、最も早く参入し様々なビジネスモデルを試してきた結果、この業界の特徴を知り、その特徴に適切なビジネスモデルを築いたからだ。」

 

クリーニングサービスの勝利の方程式とは?

 

では、いったいどういったビジネスモデルで「泰笛洗涤」は勝利を収めたのでしょうか?

O2Oクリーニングには3つのビジネスモデルがあります。

1、プラットフォーム+自社型:工場は設けず、プラットフォームとして店舗と連携するが、配送は自社で行う。

2、プラットフォーム型:プラットフォームとして店舗と連携し、配送は外部に委託する。

3、自社型:工場を設け、すべて自社で完結させる。

 

クリーニング市場の競争の本質がサービスであると気づいた、「泰笛洗涤」はいち早く1の「プラットフォーム+自社型」を取り入れ、自社による配送システムを築き上げ、配送員も自らのコントロール下に置くことで、高品質なサービス体制を整えました。

その結果、「泰笛洗涤」の顧客満足度は95%にも達し、75%という圧倒的シャアを築くことができました。プラットフォーム型ビジネスモデルを採択した「e袋洗」は65%でした。

 

プラットフォーム+自社型のビジネスモデルは中国O2Oのトレンド

 

中国のO2Oビジネスのトレンドは、自社で配送機能も持ち合わせる、「プラットフォーム+自社型」のビジネスモデルです。第三者に配送を任せるとどうしても顧客とのコミュニケーションにおいて満足のいく対応ができません。

 

重模式O2O

 

中国版Amazonの「[link2post id=”1354″]京东[/link2post]」やテイクアウト配送サービスの「[link2post id=”1578″]饿了吗[/link2post]」は、配送システムに巨額の資金を投じ、物流システムの構築に全力を尽くしています。

この背景には、どれだけネットが発達しても、オフラインでのサービスの低さが挙げれらます。

 

ビジネスモデルが確立した市場はどう発展するのか?

 

さあ、本題です。ビジネスモデルが確立した市場はどう動いていくのでしょうか?O2Oクリーニングの場合は、先に述べた3つのビジネスモデルで凄み分けができています。

中国版Uberでユーザー獲得のために、値引き合戦が行われたのは本誌の読者なら記憶に新しいでしょう。

配車サービスを参考にすると、O2Oクリーニングもユーザー獲得合戦のために、「無料クリーニング!」や「1元クリーニング!」といった値引き合戦が行われのが予想できます。しかしその資金はどこから捻出するのか?

VCからもちろん調達するのですが、中国では必ずや参戦するプレーヤーがいます。BATことバイドゥ、アリババ、テンセントです。彼らは自社のエコシステムを創るために、O2Oの周辺サービスへの投資に必死になっています。

 

ここで、バイドゥがシリーズBの調達で、リードインベスターとして参入したことが市場にとってどういう意味を表すのかが分かるかと思います。ユーザー獲得合戦スタートの合図ではないかと。かなり大胆な予測ではありますが、バイドゥに対抗して、アリババもしくはテンセントが「泰笛洗涤」に投資するのではないでしょうか?

ここで「泰笛洗涤」に投資しないと残りはシェア率がほぼない企業しか残っていませんから、アリババとテンセントはかなり躍起になって資金を入れたがっているのではないでしょうか?

「ビジネスモデルの確立+BATの参戦=ユーザー獲得合戦の開始」と大胆不敵にも予測してみましたが、O2Oクリーニング市場は実際にどう動くでしょうか?BATがさっそく参戦してくるのか、それとも彼らの参戦なしに業界は発達するのか、引き続き注目です。

 

参考、画像:洗涤O2O行业市场规模年底或超千亿

O2O模式在洗涤市场占比不足1%

e袋洗敲定1亿美金B轮融资,百度领投

黄渊普笔记:重模式O2O正在兴起!

 

あなたがバイドゥのCEOなら、自社の共同購入サイトにいくら投資しますか?

中国スタートアップ界隈の出来事をお届けします。[link2post id=”1634″]中国の共同購入サイト業界が落ち着いてきている[/link2post]という記事を公開しましたが、そちらは読みましたでしょうか?2010年から過熱した市場も5年を経て、落ち着きを見せています。

バイドゥが「糯米」を買収する形で、一定の成果を見せたことは記事で述べました。しかし市場シェアは13%で、「美团」の55%、「大众点评」の22%に大きく水を開けられています。

あなたが、バイドゥのCEOならどうしますか?

 

百度糯米

 

 

2015年6月30日にバイドゥのCEOが李彦宏が発表したのが、3年以内に200億元を「百度糯米」に追加投資するということです。

“互联网+”(インターネット+)ならぬ“会员+”という概念を掲げ、よりユーザーの体験価値を上げ、共同購入サイトの「糯米」を軸に、O2Oのエコシステムを作っていくそう。

アリババが地域生活サービス「口碑」に60億元の出資を実行するなど、引き続きO2O市場が盛り上がりを見せています。

共同購入サイトの出資に留まらない200億元の資金をどう分配し、O2Oエコシステムを創っていくのか、楽しみです。

 

参考、画像:重磅:百度糯米将追加200亿投资,布局O2O生态战略!

中国共同購入サイトに参入したBATの5年にわたる戦いの勝者は?バイドゥ、アリババ、テンセント?

中国スタートアップ界隈の出来事をお届けします。2010年市場が過熱し始めた中国共同購入サイト。もちろん中国3大インターネット企業のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)も参入しました。この5年で業界も落ち着いたところで、振り返ってみましょう。中国共同購入サイトに参集したBATの勝者はどこ?

 

1、「糯米」を買収してしまったバイドゥ

 

糯米

 

バイドゥが020サービスに参戦するのは2010年から少し遅れ、2012年でした。

2013年には「糯米」に1.6億ドルの投資を実行し、2014年には買収しました。また投資の時点から、資金以外のリソースも投下し、バイドゥと「糯米」は緊密な関係を築いてきました。

市場シェア65%の百度地図と75%の百度モバイル検索の恩恵を受け、業界3位となる13%の市場シェアを「糯米」は占めています。

バイドゥとのシナジーを活かし、うまくいった例として中国のメディアも評価しています。

 

2、「美团」を放置プレイのアリババ

 

美团

 

さあ、中国最大のECサイトを運用するアリババはどうでしょうか?アリババは中国最大の共同購入サイトの「美团」に大型の投資していますが、資金を投資したのみで、自社のリソースを何かに生かすということもなく、全くの放置です。

自社でも共同購入サイトの「聚划算」を運営するなど、戦略が不透明と言えるでしょう。

 

聚划算

 

2015年1月18日に「美团」は70億ドルの評価をつけ、7億ドルの資金調達を完了しました。2014年の年間取引額は460億元、市場シェアは55%に達し、中国共同購入サイトのNo.1です。

上場、もしくは買収されれば、投資的には成功ですが、事業シナジーとしてはうまく機能していない、成功とも失敗ともいえないでしょう。

 

3、共同購入サイトでは敗北したテンセント、020で覇権を握りに。

 

qq团购

 

テンセントは他社に投資する前に自社で「QQ团购」を運用していました。テンセントはQQ経由の大量のユーザーを流す選択肢がありつつも、「高朋网」にGrouponと共に出資しました。

しかし偽物商品が出回るなど経営はうまくいかずテンセントは撤退し、「QQ团购」と「高朋网」は合併しました。

もちろんテンセントがこれで収まることはなく、2014年12月に、中国最大のレビューサイト「大众点评」の株を20%取得し、共同してO2Oの生態圏を作っていく方向に戦略転換しました。共同購入サイト自体は諦め、O2O戦略の1つとして位置づけ、020の覇権を握りに挑戦しました。

 

まとめ 全く別の道をたどったBAT

 

自社とのシナジーをうまく生かしたバイドゥ、投資的には成功だが事業シナジーを活かせていないアリババ、市場から撤退し戦略の方向転換をしたテンセントと同じ業界に参入しながらも、全く別の道をたどったBAT。

市場が過熱してから、収束するまで5年かかったのも別の業界の発展を考えるときの1つの参考になります。

現時点では、バイドゥがうまく業界に参入できたと言えるでしょう。しかしテンセントがO2O全体の覇権をどう握るかでこの評価も変わるかもしれません。中国のO2Oの覇権争いは今後2~3年ででアリババとテンセントを中心にさらに激しい市場になっていくのが予想されます。

またその時にBATの勝者を決めましょうか。

 

参考、画像:团购网站或纷纷冲刺IPO:美团与大众点评互殴

打了5年持久战,BAT团购布局怎么样了?

 

家庭教師のO2Oを手掛ける「轻轻家教」がシリーズCで1億ドルの資金調達

中国スタートアップ界隈の出来事をお届けします。2015年6月26日、家庭教師のO2Oを手掛ける「轻轻家教」がシリーズCで1億ドルの資金調達を行いました。

 

轻轻家教

 

 

轻轻家教」はC2Cモデルで、家庭教師(Tutor)と学生を結びつけるだけでなく、B2Cで教育アドバイザー(Tutoring Assisant)も派遣するなど、「Tutor & Tutoring Assisant to Family」というビジネスモデルで、他社との差別化を図っています。

轻轻家教」の資金調達はシリーズAからCまでたったの4か月と、家庭教師のO2Oは急速に注目を集めています。、VCはなぜこうも家庭教師のO2Oに注目しているのでしょうか?

それは去年大きな盛り上がりを見せた、タクシー配車サービスと同じモデルで、ユーザー獲得の後に収益化をしやすいと考えているからです。しかもタクシーと同じく粘着性が高く生活に必要なものでありながら、高単価であることがVCが家庭教師のO2Oを熱心に追いかける大きな理由となっています。

しかし「Uber」発祥の地、アメリカと大きく違うのは、テンセントとアリババという巨大プラットフォームが中国にはあること。これらとどう協働あるいは競合するかが、中国ならではの戦い方になるのでしょう。

 

参考、画像:轻轻家教C轮1亿美元,好未来升级“智康1对1”,资本和巨头同时入场

約880の共同購入クーポンサイトの頂点に立った「美団」がいよいよネット金融へ参入か

中国スタートアップ界隈の出来事をお届けします。共同購入クーポンサイトの「美団」CEO王兴便氏がネット金融サービスに参入することを2015年1月に宣言してから半年、いよいよネット金融に参入するだろうとO2O専門のメディア「亿欧」が伝えています。

 

美团网CEO王兴便

 

2014年1年間で達成した460億元の莫大な取引を、自社の金融サービスを通じて決済させたいと思うのは当然でしょう。流通額を一時的にプールさせるだけで、莫大な利息が手に入ります。

どうやらネット金融関連の人材を募集しているそうで、金融サービスのローンチまであと少しかと推測しています。

しかし共同購入クーポンサイトがネット金融まで手掛け、自らのエコシステムを創りに行くなんて、日本ではあまり見られないダイナミックな動きです。O2Oで市場シェア60%を取った企業がどう展開するのか、引き続き注目です。

 

参考、画像:美团金融大野心,秘密布局互联网金融

中国「O2O」の最前線!手ぶらで買い物できる未来型スーパーを体験してきた!

 ※編集部注

上海で生活されている佐藤さんに寄稿していただきました。中国のIT事情を現地よりリポートしていただきます。

 

未来のスーパーマーケットについて

上海に住み始めた2015年2月から4ヶ月が経とうとしています。

予定では8月後半の帰国になるため、残りあと2ヶ月しか残されていませんが、実際に住んでいるからこそ体感できる上海のIT事情を、数回に分けて綴っていこうと思います。

 

今から遡ること約1ヶ月、自分の住む学生寮の最寄り駅前にO2O精品生鲜超市「CeCeLife食理洋尝」というスーパーができました。

外観

駅自体は上海の中心地から地下鉄で15分ほどの「金沙江路」という小ぢんまりとした駅(東京でいう代々木程度の規模感)なのですが、

駅に巨大なデパート(伊勢丹の3倍以上?)が併設されており、そこに行くためにはこのスーパーの前を通る必要があるため、かなりの好立地です。

目の前を通るたびに、小洒落たスーパーだなぐらいにしか思っていませんでしたが、先日ちらっと覗いてみました。

今すぐに普及するかどうかは別にして、店内には目新しい光景(まさしく近未来のスーパの光景?)が広がっていました。

まずは、その様子を簡単にご紹介します。

「未来のスーパーマーケット」の内部構造

 

まず、大前提として、ユーザー(買い物客)は、⑴微信API連携した専用アプリをダウンロードする必要があります。

「微信」は、Lineのようなメッセンジャーアプリで、Mikan CEO 宇佐美氏の「Tech Crunch Chinaレポート」に詳しく書かれていますが、中国では圧倒的な存在感を示します。

(SNS機能も併せ持つため、日本でいうFacebook、Twitter、Lineの3つの役割を全て「微信」が担うといったイメージ)

さらに、店頭でのスマホ決済のツールとしてもかなり普及しており、「微信での決済OK」との記載のある店をたびたび目にします。

「微信」がすでにダウンロード済みであると仮定すると、ユーザーは、専用アプリをダウンロードした後、お店をブラブラしながら欲しい商品を探し回ることになります。ここは従来のスーパーと変わりませんね。

もっとも大きな違いは、購入を決めた商品を自分で持ち歩く必要がないところにあります。

というのも、購入を決めた商品を手に取り、カートに入れる代わりに、⑵商品に貼られているバーコードをスマホで読み取っていき、

qrコード

買い物がすべて完了したら、⑶レジ(下の写真)に行きスマホをレジにかざすだけで決済が完了するという仕組みになっているからです。(一種類の商品を複数購入したいときは、スマホ上で操作可能)

でも、肝心の購入した商品はどうやってもらうの?というと、

並行して、店員さんが店舗に併設された倉庫から商品を出して、袋に詰めておいてくれるので、⑷レジで決済が終わり次第、レジ袋を受け取り颯爽と帰宅という流れになっております。(スマホから得られる情報・機能と実店舗から得られる情報・機能がインターネットで相互に繋がり合い購買に繋がるという、まさにOnline to Offlineの構造)

 

レジ

他にも、

・地区は限定されますが、22時までの時間帯であれば、当日配送も可能。

・個体差のある生鮮食品は、ズバリそのものを購入することも可能。(このバナナは熟れすぎているから、こっちにしようとかありますよね)

のようなオプションもあるようです。

以上をまとめると、ユーザーは、

⑴「微信」API連携した専用アプリをダウンロードする

⑵購入したい商品に貼られているバーコードをスマホで読み取る

⑶レジに行きスマホをレジにかざして決済する

⑷決済が終わり次第、レジ袋を受け取り颯爽と帰宅

という流れで、買い物中手に商品を持つことなく、キャッスレスで快適な買い物が実現できるというわけです。

店舗側のメリット・デメリット

 

店舗面積の削減、人件費の削減といったわかりやすいメリット以外にも、

ログ解析からユーザーに最適化されたプッシュ通知を出したり、ECに誘導したり、CRMツールとして使ったりと、データを加工してどうにでも利用できそうです。

ただ、店舗の場所が都会でスマホ保有率が高いこと、「微信」が日本でいうFacebook+Line+Twitterレベルのインフラになっていると考えても、ユーザーを微信のAPIを使ったアプリをダウンロードしている人に限定してしまうのは、リスクが高すぎるのでは?と思ってしまいます。

ユーザー側のメリット・デメリット

 

決済が簡単、ポイントカード、クーポン等を別で管理する必要がない、買い物中荷物を持つ必要がない・・

正直僕にとってはスマートにスーパーで買い物をしているという自己陶酔感が最大のメリットになってしまうくらい、これといったメリットが感じられませんでした。

慣れてしまえば問題なくなるのでしょう。しかし、スマホで一個一個バーコードを読み取り、数量を指定するという行為は想像以上に煩わしさを伴います。

自分の場合は、アプリの使い方がわからなかったことに加え、言語での意思疎通ままならないため、買い物を開始してから決済が完了するまでの間、一人の店員さんにずっと付き添ってもらうという始末。。

「未来のスーパーマーケット」の帰り道に考えたこと

 

この日は、配達機能は使わず、そのまま商品を受け取って、帰ってきました。

この「未来のスーパーマーケット」は本当に普及するんだろうか?という疑問符を頭の上に浮かべたまま。

寮までの帰路の途中、ふと「スーパー」で買い物をしてきたという感覚が全くないことに気づきました。むしろ服屋で買い物をしてきたといったイメージに近いかもしれません。

なぜかなと思ったときに、初期の顧客獲得期というのもあるでしょうが、明らかに店舗をうろうろしながら話かけてきてくれる店員さんが多いんですね。

他にも、営業時間中に品出しの必要がほぼなく、レジも上の写真のようにすっきりしているため、スーパー特有のガヤガヤとした雰囲気がなかったという点も大きな要因なのでしょうが、店員さんが自分から話かけてきてくれる!(話かけてきてくれるだけの余裕がある)ことが、僕にとっては後になって真っ先に浮かぶ光景でした。

倉庫からものを出して袋詰めするまでのプロセスまでは見れませんでしたが、同量の商品量を扱う一般的なスーパーに比べて、一店舗全体としてみたときに必要とされる労働力は明らかに少ないはずです。

このテクノロジーの力で要らなくなっら労働力を、現時点では、各店員さんに再分配することで、僕が普段感じている感覚では考えられないほどの人間味のある接客が実現できてるわけですが、今後、この浮いた労働力をどこに分配していくのかが見どころだと思っています。

向かうべき「未来」の方向性

 

メタップス CEO 佐藤氏はご自身のブログの中で、お金、感情、テクノロジーのベクトルの和の方向が、「未来」の方向性であると述べています。

例えば、他人の感情を無視して経済的な拡大だけを求めていって崩壊していく様を私達はこれまで何度も見てきました。

反対に、多くの人が共感してくれるようなプロジェクトもそこに関わる人達の生活を支えられるだけの経済的価値を生めなければ、長期的には人は離れていってしまいます。誰でもまず最低限の衣食住が必要なためです。

同様に、テクノロジーも、倫理を無視したものは実現可能であってもなかなか世にでることはないです。経済的・社会的価値が見つからなかった研究は予算が削減されてしまうことは日常茶飯事です。

 

そして同時に、この3つは単体で見ても複雑なのに、それがさらに相互に依存した関係性を持つため、「未来」の方向性を予測することは、容易ではないと続けています。

しかし、以下のように3つの内のどれか一つ(特に感情)が他の2つを圧倒し、補ってしまう場合があるとも述べています。

 

私は『執着は損得を超える力がある』と思っています。一見矛盾しているように聞こえるのですが、執着(感情)は磁力のように他のリソース(お金・技術)を引き寄せて、足りていない要素を埋めてくれる場合がよくあったからです。過去を振り返って見れば、うまくいったことは実は3つの要素がしっかり噛み合っていた気がします。

 

今回例に挙げた、上海の「未来のスーパーマーケット」の例でも、お金・技術の至らなさ(店舗側の経費が思ったほど削れない・ユーザーに思ったほどの利便性を提供できない)を、感情(普段感じている感覚では考えられないほどの人間味のある接客)が引き寄せて、足りない部分を埋めていく可能性はあるのでしょうか。