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中国版Twitterの「微博(ウェイボ)」はなぜ配車サービスに1.4億ドルもの出資をするのか? ChinaStartupWeekly

ChinaStartupWeeklyと題として、中国スタートアップに関するベンチャーの紹介や資金調達のニュースを毎週配信していきます。

 

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中国版Twitterの微博(ウェイボ)が配車サービスに1.42億ドルもの出資の意向の文書をNSE(ニューヨーク証券取引所)に提出したことが大変話題になりました。中国ITのニュースが話題になったと言えるかどうかは、techinasiaに掲載されるかどうかが1つの指標かと思いますが、今回の出資のニュースはしっかりと取り上げられていました。

Weibo invests $142M in China’s biggest taxi app startup

微博1.42亿美元投资滴滴快的

新浪微博(ウェイボー)がO2O配車アプリに参入?滴滴快的に1.4億ドル

 

TwitterがLINEタクシーに出資しているようなものですが、いったいどういう狙いがあるのでしょうか?これを理解するには微博(ウェイボ)がSNSとして終わる気はさらさらないということと、中国のインターネット企業の動向には常にBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)の存在があるという2点をおさえる必要があります。

 

  • SNSの広告依存型モデルから収益の多角化を目指す微博(ウェイボ)

 

5月15日、微博(ウェイボ)は第一四半期の決算を発表しました。ユーザーの間では、広告のフィードと化した微博(ウェイボ)を毛嫌いする声が多かったのですが、ユーザー数、売り上げ、広告費は前年比それぞれ30~50%での上昇となり決算発表後の市場も良好でした。しかし付加価値サービスは前年比9%しか伸びていませんでした。ユーザー数の高止まりと共に、広告費の成長率の伸びが停滞するのは明白であり、景気に大きく影響を受ける広告に依存するのは危険であると言えます。もちろん微博(ウェイボ)もそのことは承知していて、新たな施策を打っています。それが、微博(ウェイボ)を通じて、ユーザーの日常生活を支援することです。例えば、水道費や携帯の決済を微博(ウェイボ)上から行えるようにしています。

 

微博(ウェイボ) 決済

 

さらには、フィットネスサービスもつけており、小米(シャオミ)のリストバンドと連動させることで、万歩計などとして機能させることができます。

 

微博(ウェイボ) ヘルス

 

今回の配車サービスへの出資はこの流れをくむものだと思います。現時点では確認できませんでしたが、「微博(ウェイボ)」上からタクシーを呼べるようにし、決済まで持ち込みたいのでしょう。ユーザーに、コミュニケーションや広告以外のサービスを提供することで収益の多角化を図るとともに、ユーザーの粘着性を強化したいという微博(ウェイボ)の意思であると思います。また新浪(シナ・コープ)CEOの曹氏は過去のインタビューで、「微博の開放のプラットフォームの生態システムを構築する」と発言しているように、ただのSNSだけで微博(ウェイボ)が終わるつもりはないことは分かるかと思います。

 

  • ・BATの存在~「微博(ウェイボ)」の株の18%はアリババが保有し、出資先の配車サービスの「快的打車(クァイディダーチャー)」にもアリババは巨額の出資~

 

先日中国の2大配車サービスが合併したことは本誌の読者の記憶に新しいのではないでしょうか。その配車サービスの「快的打車(クァイディダーチャー)」にアリババは数億ドルの出資をしていました。しかも「アリババ」は2013年に、「微博(ウェイボ)」に約5.9億ドルの大型出資をし、株式の約18%を取得していたのです。もちろんコミュニケーションのプラットフォームを持たない「アリババ」が「テンセント」に対抗しての一手でした。先ほど「微博(ウェイボ)」が生活者のために決済サービスを提供していると述べましたが、もちろん「アリババ」傘下のオンライン決済サービス「支付宝(アリペイ)」と連動させるようになっています。

「アリババ」→「微博(ウェイボ)」という別ルートから配車サービスに影響力を持ちたい「アリババ」の意思が入った施策ではないでしょうか。(しかし現在の配車サービスの企業価値は60億ドルで1.4億ドルという出資額はそこまで大きなものではありません。)裏を取ったわけではありませんが、微博(ウェイボ)の株を18%も取得している「アリババ」の意思決定が大きく関与していると見ていいでしょう。

 

今回の例に限らず、プラットフォームの座を奪うべくありとあらゆる角度からBATが争っているのが、中国のインターネット、ひいては中国のスタートアップの現状です。

 

参考:アリババグループ、新浪微博に戦略投資

大手ネット3社が第一四半期の決算を発表 #ChinaStartupWeekly

巨大合併!中国の二大タクシー配車アプリ企業「滴滴」と「快的」が株式交換、シェア95%以上に

画像:AlibabaとWeiboのHPより筆者作成もしくは各HPより引用

投稿者:

家田昇悟(IedaShogo)

在学中に中国の日本酒コンサルティング会社で、営業・ECサイト立ち上げのリサーチを経験。帰国後、中国のスタートアップに特化した情報サイト「ChinaStartupNews」を立ち上げ、中国関連のリサーチやコンサルティングに従事する。中国×スタートアップに興味を持つ人が集うFBグループ(https://www.facebook.com/groups/chinastartup/)を運営し、現在参加者は800名を超える。アプリ開発企業にて勤務。